コメディ・ライト小説(新)
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- 僕の姉が過保護すぎて
- 日時: 2023/05/06 16:57
- 名前: みなみ (ID: 4NhhdgqM)
初めましてみなみです
今回は姉弟のラブコメです
- Re: 僕の姉が過保護すぎて ( No.1 )
- 日時: 2023/05/06 20:22
- 名前: みなみ (ID: 4NhhdgqM)
人物紹介
天海碧 男 17歳
幼少期にマイコプラズマ肺炎を患い、死にかけたことがある
病弱ゆえに過保護な姉が居る
天海空音 女 19歳
碧に対して過保護な姉
碧を誰よりも大切にしている
岩倉輝 女 16歳
碧の同級生で、男子人気は高いが碧に対してしか興味を示さない
こちらも過保護
藤波春馬 男 17歳
碧の友達で、イケメン
女子人気が高く、男子の標的
- Re: 僕の姉が過保護すぎて ( No.2 )
- 日時: 2023/05/07 16:28
- 名前: みなみ (ID: 4NhhdgqM)
第1話「新学期」
夏の匂いと暑さを嫌でも感じる。
今日は2学期の始業式、昨日までの夏休みはどこに行ってしまったのだろうか。
「はぁ...」
そんな憂鬱に僕、天海碧は溜め息をついた。
「どうした?そんな溜め息なんてついて」
「夏休みが終わってしまったことに対する憂鬱」
話しかけてきたイケメンは友達の藤波春馬だ。
「しゃーねーよ、俺らの夏休みは終わった。お前には美人な姉ちゃんと岩倉が居るじゃねえか、モテモテで羨ましいよ」
このイケメン、僕を煽っているのだろうか。
「春馬に言われると複雑だな」
「?なんでさ」
「イケメンにモテモテとか言われると複雑な気持ちになるよ。僕はモテないし」
「お前、それ本気で言ってんのか?」
春馬は顔を真っ青にした。一体なんだと言うのだ。
「どういう...」
「あー、そうだ...鈍感だったんだ」
「おい聞こえてるよ」
始業式も終わり教室に戻った。
すると隣の席の岩倉輝さんがこちらを見ていた。
どういうわけか、岩倉さんは男子人気が高いにも関わらず陰キャで男らしくない僕にしか喋ってくれない。例えそれが先生でも、コミュニケーションは紙などに文字を書いて気持ちを伝えるのだ。
なので声を聞くことは滅多にない。
「どうしたの、岩倉さん」
「...今日、暇?」
耳打ちで僕に訊く。
「え?ああ、暇だよ」
突然の質問で少し動揺してしまった。
岩倉さんとは今年の4月からなのだ。最初は何も喋ってくれなかったけど、ある日突然耳打ちで喋ってくれた。僕に最初に話してくれた言葉は「ありがと」だった。
なんだかんだ、僕は岩倉さんのことが好きなのかもしれない。
「じゃあ、もしよかったら家で夕飯食べない?」
「いいの?じゃあお言葉に甘えt____」
スマホのバイブレーションが着信を知らせる。
通知センターには、僕の姉である天海空音からのメッセージだった。
内容は『今日はお父さんとお母さん居ないからご飯私が作るね♡』である。
「...えと、ごめんね?今日急用が入っちゃってさ」
「...そう」
岩倉さんは分かりやすく萎んでしまった。なんとも心が痛い。
でもこれは仕方がない。本当に。
空音姉さんのこういうメッセージは真っ直ぐ帰らないと、空音姉さんは大泣きしてしばらくは大学に行ってくれないのだ。
そうなれば時間が解決してくれるのを待つしかない。
「ただいまー」
玄関のドアの窓から差し込む夕日は、僕の心を癒してくれるようだった。
靴を脱ごうとしたその時、リビングのドアが勢いよく開き、ドタドタという音が鳴り響く。そして姉さんが出てくる。この一連の流れは下手なB級のホラー映画の何倍も怖い。
「おかえりぃ碧ぃぃぃ!!!」
「うわぁぁぁ!!」
そう、この流れさえなければ普通の美人な姉なのだ。
ただブラコンすぎるがゆえにこのザマだ。
「分かった!分かったから!姉さんちょっとどいて!」
「ぇ...私、なんかしちゃった...?」
そんな今にも泣き出しそうな子供みたいな目でこっちを見ないでくれ...。
「ごめんって姉さん!だから泣きそうな目で見ないでよ!」
「怒ってない...?」
「怒ってない」
「...碧ぃぃ!!大好きぃぃ!!」
「うわぁぁぁ!!!」
天海家の、ちょっと変わった姉の話。
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