コメディ・ライト小説(新)

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four seasons~想いを、紡ぐ~
日時: 2023/06/24 19:46
名前: 鏡花 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


こんな話、あなたは信じますか。




[登場人物]
春原はるはらつむぎ
お人好しの中学1年生。
春原はるはら椿つばき
紬の母で、超有名な脚本家。
秋翔しゅうと
椿の映画の、主演を務める中1男子。
(登場人物は追加していく予定です。)

[目次]
イッキ見>>1-
PROLOGUE>>1
第一話「日常」>>2
第二話「出会う」>>3
第三話「」>>4

[MEMO]
スレッド作成…2023年6月17日

Re: four seasons~想いを、紡ぐ~ ( No.1 )
日時: 2023/06/19 17:59
名前: 鏡花 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

PROLOGUE




約束なんて、信じただけ損だ。







▽▼▽

「ぶ、ブラジル?」
ぽかんと空いた口から、マヌケな声がもれた。
そんな私を見て、お母さんとお父さんはのほほんと笑っている。
「だから、2週間お兄ちゃんと仲良くやりなさいよ」
「え、な……二人とも行っちゃうの!?」
「もちろんよ、ねぇ?」
仲よさげに、私の両親は腕をからませ合った。
▽▼▽
はぁ。今朝の会話を思いだして、私はひとり頭をかかえる。
「ごめーん、私たち2週間ブラジル行ってくるね」
「小説のネタ探しにね」
「紬も颯もしっかりしてるし、安心して行ってこれるわ〜」
なんの前触れもなかった。それはまるで、今日の朝飯を教えるように、軽く告げられた。しかも当日に。なんという親だ。
うんざりしつつ、私は冷蔵庫を開ける。2週間くらいなら、大丈夫かな。お兄ちゃんや近所のおばさんに助けてもらえばいい。





でも。
2週間がたった。
1ヶ月がたった。
半年がたった。

結局、私の両親は帰ってこないままである。


Re: four seasons~想いを、紡ぐ~ 第一話 ( No.2 )
日時: 2023/06/23 18:55
名前: 鏡花 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第一話 日常

春原兄妹の朝ははやい。
「おはよー……」
「おはよう、紬」
重いまぶたをこすって、私は食卓テーブルに腰を下ろす。じゅううう、とキッチンから音がした。
ソースとお肉の匂いが私の鼻をくすぐる。
「はい、簡単なものだけど」
「わっ、ありがと。美味しそう!」
カツサンドだ。
『簡単なものだけど』というお兄ちゃんの言葉は信用できない。カツも完璧に揚げるお兄ちゃんは、とっても料理上手。
カツサンドにかぶりつくと、サクッと心地よい音がした。
「うわぁ、美味しー!」
思わず私は大声で言った。
「それはよかった」
「お兄ちゃんは食べないの?」
「あぁ、すぐ食べる」
そして、お兄ちゃんは……。ん?
なぜか、納豆ののったお米を持ってきた。そして、そのうえにカツサンドを……。
「え、お兄ちゃん?な、何してんの?」
「ん?」
「カツと食パンと納豆とご飯……合うの?」
お兄ちゃんはやっと自分の行動に気がついたようだった。危ないなぁ……とごまかすように笑って、キッチンへ行く。

__お兄ちゃんが心配だ。いつも頑張ってくれて、たくさんバイトしてくれて。
あんな両親とは違うね。
中学1年生の私は、お兄ちゃんに迷惑をかけている。だから今は、お金がほしい。本気で。

「じゃあ、行ってくる。紬も始業式頑張って」
いつものようにドアがあいて、私は家に取り残される。

このように、春原兄妹の日常はいつも、孤独です。

Re: four seasons~想いを、紡ぐ~第二話「出」 ( No.3 )
日時: 2023/06/24 19:45
名前: 鏡花 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第二話「出会う」

▽春原紬の場合▽
始業式。そしてクラス替え。私は少しドキドキしながら学校に来た、のだが。
「うぅ……見えない……」
思いっきり背伸びをしてみる。ダメだ。貼り出された名簿には人だかりができている。
「あーちゃん!同じクラスだね!」
「やった、シュウトくんと同じクラスじゃん」
「え、シュウトくんってあの?」
きゃぴきゃぴ言いながら友達とハイタッチをしていたり。顔を赤らめていたり。
(誠に残念ながら、私には一緒に騒げる友達というものがいない。)
もっと早い時間に来ればよかったかも。後悔し始めたころにはもう遅い。ため息をついて、一歩後ろにさがる。

そのときだった。
背中になにかがふれて、直後にどん、と鈍い音が聞こえてきた。
「痛ぇ……」
えっ……。
私は首がねじ曲がるほどの勢いで、振り返る。
そこには、地面に尻もちをつく男子生徒がいた。どうしよう。冷や汗を背中が流れる。
「す、すみませんっっ!!お怪我はありませんかっ!?」
足元に転がっているスケッチブックを拾い上げようとする。
「秋桜……?」
表紙のタイトルが見えて、私は首をかしげる。
しかし、男子生徒が私より先にさっと拾い上げてこちらをにらんできた。うわぁぁ……怒ってる……!
もう一度謝ろうと口を開いたとき、ハッとした。

ぽかんと口を開けたまま固まる。
(か、かっこいい……)
その男子生徒は、芸能人みたいに整った顔をしていた。こんなにかっこいい子、存在したんだ……。


……って、男子生徒、いなくなってる……。。
立ち尽くす私をあざ笑うかのように、「ビュルッ」とどこかでヒバリが鳴いた。

▼??の場合▼
はぁ。
机に伏せて、俺は自己嫌悪におちいっていた。ナナメ前の席でも、同じような格好をして暗〜いオーラを放ってるやつがいる。
(さっきの女子だよな、あいつ)
自分でも、あんなにキレるなんて思わなかった。
『秋桜……?』
あの女子はそう言った。そこまで有名じゃなかったのかって、ショックだったんだ。
いや、これからだよな。この作品の名、絶対に全世界に広めてやる。

あ、その前にあの女子に謝ったほうがいいか……?
そんな俺の思考をさえぎるように、チャイムが鳴った。

Re: four seasons~想いを、紡ぐ~ ( No.4 )
日時: 2023/06/27 19:52
名前: 鏡花 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

第三話 束縛系カノジョ
相当な時間がかかって、やっと名簿を見ることができた私は、教室に向かって猛ダッシュした。
自分の席を探して、死人のように机に突っ伏す。
……。
もう嫌だ……。
あの男子生徒には二度と会いたくない。悪かったのは私だけど、怖いよ、怖すぎるよ!
しかも、あの男子生徒を転ばせたことで、周りの人びとから氷のような視線を浴びるハメになったし。

「えぇ、ホームルームを___おい春原、起きろ!」
「す、すみませんっ」
クスクス、と笑いがおこる。先生にも怒られてしまった。寝てないのに。
「渡辺、おまえもか!」
「寝てないっすよ……」
「顔を上げて話を聞け!ったく……」
私と同じような人もいたみたいだ。
みんなの自己紹介が始まる。私はそっと窓に視線をうつした。雲ひとつない青い空を、鳥のシルエットが旋回している。
いいなぁ、鳥は。
お金がかからず遠くにいけるもんねぇ……。
「はい次、春原……おい、春原!!」
「あ、は、はいぃ!?」
鳥は、先生に怒られることだってないよねぇ。

▼▽▼
「ただいまぁ、ねえ聞いてよお兄ちゃ……」
靴をぬぎすてて、廊下を歩き出す。家の中はしんと静まり返っている。
あぁ、そういえば、始業式で早く帰ってきたんだった。お兄ちゃんはまだ高校だ。
手を洗って、ソファINする。ぼふっ、と音がなって、私の疲れ切った体を包み込んでくれる。ふと、となりにあった電話が目に入った。点滅している。
「だれからだろ……って、何これっ!」
知らない番号がうつっている。いや、驚くべきところはそこじゃなくて。
「ち、着信89件?」
私が学校に行っていた、たった2、3時間の間に……。
え、なにこの人。お兄ちゃんのカノジョかな。束縛系カノジョさん?
戸惑っていると、プルルルル、と電話が鳴った。
束縛系カノジョさん(推定)の番号だ。仕方がない。私は受話器を手に取った。

Re: four seasons~想いを、紡ぐ~ ( No.5 )
日時: 2023/07/11 17:21
名前: 鏡花 (ID: XVhgbfch)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「はい、春原です」
「あ、あの、そう……」
「お兄ちゃんを呼びますか?」
落ち着いた女の人の声だった。
やっぱり、お兄ちゃんのカノジョさん。「颯」という名前を出してきたので、私はそう聞いた。
しばし、沈黙が訪れる。

「……え?」

カノジョさんは、すっとんきょうな声をあげた。え?
「お兄ちゃんのカノジョさんではないのですか?」
「ふぇ?」
「えっ?」

顔は知らないけど、目を点にする姿が目に浮かんだ。2度目の沈黙。
少し気まずくなったときだった。

「……あっはははははっ!!」

急に、カノジョさんが大声で笑い出す。私の耳に、キーンと響いた。いじめっ子みたいな笑い方だ。
「あ、あの……」
「あは……あ、ご、ごめん」
やっと落ち着いたようだ。
「私、相馬菜穂子。椿さんはいらっしゃる?」
いっきに2つの名前が飛び出してきた。
相馬菜穂子……あぁ、「そう」って言いかけたのは、名乗るためか。


そして、椿。懐かしい名前だ。
「お母さんなら、遠くに出かけています」
「遠くに!?」
困ったような声に、かわいそうになる。
「あの、何か伝えておきましょうか?」
「うーん、じゃあ……『仕事サボってないで秋桜書けやゴラァァ!!』って伝えてくれる?」
「はは……了解です」
苦笑。受話器を通して迫力が伝わってきた。お母さん、有名小説家のくせに仕事は遅いのねぇ。
「それじゃあ、ありがとう」
「いえいえ」

そう、私は知らなかったのだ。
____カン違いから始まった電話が、運命を大きく変えることになるなんて。






「あとがき」
ぎゃあ!
ごめんなさい!忙しくて、更新が遅くなりました!


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