コメディ・ライト小説(新)

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夏の終わりを抱きしめて
日時: 2023/09/08 20:13
名前: 鳳羅 うらら (ID: gfIXAr2y)

9月になったというのになぜこんなにも暑いのだろうか。
私、花籠夢羅(はなかごゆら)と兄の花籠優璃(はなかごゆうり)は今日から新しい学校・私立花朝(かちょう)学園に通うことになる。
お兄ちゃんは新しい学校で心を入れ替えようとしているが、私は新しい学校に通うのにちっとも楽しみではないし、高揚した気持ちなんて全くない。
2ヶ月前に両親を事故で失い、親戚の引き取り手も見つからなかった私たちに、もう希望なんてない。
学校は中高一貫だし高校受験も無いから、もうあと4年半、ひっそりと生活して卒業するんだ。
キラキラした青春なんて、どうでもいい。

私は通学路を足取り重く歩いた。
あまりにもダラダラしすぎたのだろうか、心配したお兄ちゃんが声をかけてきた。
「夢羅?大丈夫?体調悪いの?」
「ううん、ちょっと緊張してるだけ」
「そっか、無理しないでね」

そんなこんなしていたら、学校に着いていた。

Re: 夏の終わりを抱きしめて ( No.1 )
日時: 2023/09/08 20:24
名前: 鳳羅 うらら (ID: gfIXAr2y)

「うっわ…でっか…」
私立花朝学園は建物がもの凄い大きく、なんと校舎が4つある。
私は唾を飲み込み、一歩踏み入れた。
「夢羅、俺、高等部の校舎こっちだから。…頑張れよ。授業終わったら連絡して。」
「うん、またね、連絡するね。」
そうか、お兄ちゃんは高等部の1年か。中等部2年校舎そのものが違うのか。
私は急に不安になった。全然知らない場所で1人なのだ。
パパとママがいたら…校舎の中まで一緒だったのかな…
早くしないと遅刻してしまう。急がなくては。
私は足早に下駄箱へ向かった。

下駄箱から急いで職員室へ行った。
「あの…失礼します。今日から入学する、花籠なんですけど…」
「あぁ!花籠さんね!」
そう言いながら40代くらいの女の先生が駆け寄ってきた。
「私は、中等部2年4組担任の光希(みつき)です。花籠さん、今から教室行くから私に着いてきて。」

「はい。」私は静かに返事をした。

Re: 夏の終わりを抱きしめて ( No.2 )
日時: 2023/09/08 20:38
名前: 鳳羅 うらら (ID: gfIXAr2y)

私が転校生だからか、廊下でいろんな人がじろじろ見てくる。気まずいし、恥ずかしい。
予鈴が鳴った。
「さぁ、ここよ。花籠さんはドアの外で少し待ってて。」
「はい、、」これはお決まりのパターンだ。きっと。
中から光希先生の声が聞こえる。
「…今日は転校生が来たわ。…入ってきてー」
トコトコトコトコ…
「さぁ、自己紹介して」
「えっと…花籠夢羅です。よろしくお願いします」
パチパチパチパチ
なんかやけに拍手がでかい。なぜだろうか。
「座席は窓側の後ろの空いてるところね。あ、視力弱くない?」
「あ、大丈夫です、両目1.5です」
「なら大丈夫ね」
1番後ろ…目立たないところで良かった…
「それじゃ、きちんと10分休憩の間に1限目の準備してね」
そう言って先生は教室から出ていった。

(教科書は机の中にみっちり)
ザワザワザワザワ…
なんだろう?教室の外からも中からも私のことを見ながらざわついている。。

Re: 夏の終わりを抱きしめて ( No.3 )
日時: 2023/09/08 21:24
名前: 鳳羅 うらら (ID: gfIXAr2y)

「花籠さん、、だよね?」
「へっ?」
わっ、隣の人が話しかけてきた…びっくりした…
「!」すごい顔整ってる男の子…すご…
「あ、びっくりさせちゃってごめんね。俺、覇月夕維(はづきゆい)。よろしく」
「うん、よろしくね」
ザワザワザワザワ
やっぱざわついている…なんでだろ?
「ん?もしかして花籠さんって、噂になってる美少女転校生?」
「えっ?私が?」
「たしかにめっちゃ顔綺麗」
「え?え?どういうこと?」
「さっき友達からLINEで回ってきて…あ、ほら」
そう言って夕維くんは私にスマホの画面を見せた

ーーーあのさ、今日来る転校生がめっちゃ美少女らしいんだけど!!
見つけたら報告しろよ!!!

「…そんな、どうして…?」
「他にも何件かLINE回ってる」
「そうなんだ…」
「ちなみに、高等部には超美男子が転校してきたんだって」
(まさか…お兄ちゃんじゃないよね…どうしよう、私ひっそり生活するって決めたのに…)

Re: 夏の終わりを抱きしめて ( No.4 )
日時: 2023/09/10 18:54
名前: 鳳羅 うらら (ID: gfIXAr2y)

夢羅はすごく困惑していた。
「あっ、花籠さん、1限目始まるよ。」


授業が終わった。すると圧倒的1軍であろう女の子の集団が夢羅に話しかけてきた。
(えぇと…たしか…蜜谷さん?だっけ?)
「花籠さん、転校してきたばっかなのに調子乗んのやめてもらってもいいかな?」
「えっ、?私何かしちゃったかな?」
「wwwww自覚ないの?まじありえへんわww」
「だって、急に来られても分からないよ」
「さっき覇月くんと仲良く話してたじゃない。転校生なのとちょっと学園で有名だからって馴れ馴れしく男と話すのやめてもらってもいいかな?」
「ごめんね…」
「謝る暇あったらさっさと行動に写して。まじウザいから」

夢羅は絶望した。
傷がどんどん広がっていった。


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