コメディ・ライト小説(新)
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- 宝島航海記〜Caribbean adventure〜
- 日時: 2023/11/01 21:04
- 名前: 京条ハル (ID: /p7kMAYY)
<注意など>
・オリジナルストーリーです。
・実際に16〜17世紀で用いられた戦闘方法、帆船をモチーフにしています。
・なお 船名、人名、団体名は実際のものではありません。
・この小説はロバート・ルイス・スティーヴンソン著 宝島 を題材にしたものです。
・完全オリジナルストーリーになっています。
<ストーリー>
宝島をめざす宝島研究会。
航海の途中で21世紀の現代海賊に襲われ、
魔の三角海域を彷徨うことに。
では、宝島への航海をお楽しみください。
ー・ー・ー・ー本編ー・ー・ー・ー・
僕は有海 一帆(以下 一帆)。
宝島を目指す、ただの少年だ。
「一帆、これ、役に立つんじゃない?」
そう言って本を渡してくるのは、乗組員、、、じゃなくて部員の一人、早船 美里(以下 美里)。
今は宝島研究会の部員と、図書館で操船について学んでいた。
そして、夏休みには宝島を目指す計画を立てた。
<出発前の夜>
僕はリュックに羅針盤、地図、食料をつめた。
親は数年前、魔の三角海域上空で消えてしまった。なのでいくら危険でも止める人もいないだろう。
ふと、部屋を見渡した。航海に必要な物は全てつめた。壁では親が唯一遺した帆船模型、ヒスパニオーラ号がボトルの中で水面を揺れていた。
ヒスパニオーラをポケットに入れて、準備を終えた。
<当日>
全員浜辺に集まった。
みんな、船に乗り込む。船室はないが、二本のマストに2枚ずつ帆がついていた。
船体は船首から船尾まで13メートルあった。
独学ではあったが、操船術を身に着けていたので、
全員で帆を広げ、舵を取り、勢いよく船は発進した。
そして、全員で叫ぶ。
「宝島号、全速前進!!」
「アイアイサー!!!」
<魔の三角海域>
船は順調に航海をしていた。
すると部員の一人がこう言う。
「右舷に船!!」
全員が右を向くと、そこには小さなゴムボート数隻が全速力で向かってきていた。
よく見るとゴムボートの乗組員は全員武装している。
急いで地図を確認。
「インド洋だ。」
美里は「そういえば、今でもインド洋には海賊がいると聞いたことがあるわ。」という。
僕は叫んだ。「海賊だ!甲板にいる全員で船を守れ!帆桁にいる者は下に降りて帆を左に回せ!」
「取舵いっぱい!」
船が大きく左に傾く。
そもそも13メートルの木造ボートに帆をつけただけなのでスピードはあまり出ないし、モーター搭載のゴムボートには追いつかれてしまう。
「面舵いっぱい!」
船が大きく右に傾く。
「帆を右に回せ!」
船がジグザグとはしる。
「!?風向きが変わったぞ!向かい風だ。帆をたため!」
船が完全に静止した。
しまった、追いつかれた。船に銃弾があめあられと降り注ぐ。
怯んだすきに何人か人質に取られてしまった。
船は木片と化して漂っていた。
船員は全員意識を失っていた。
気付いたら霧が濃く立ち込める海を漂っていた。
ふときずいたら、ヒスパニオーラが入った瓶を落としている事に気付いた。
暫く探していると、海面が泡立って、
ゴゴゴゴゴ、、、、と低い唸り声を上げて海底から何かが浮かび上がってくる。
足が木の板に着く。そのまま周りに漂っている部員たちと一緒に浮上した。
そのまま意識を失ってしまった。
<ヒスパニオーラ号>
目が覚めるとそこは大きな船の上だった。
周りに部員たちも寝ている。
ここはどこだろうと、しばらく船の上を歩いていると、空いた瓶が落ちていた。
ヒスパニオーラ号の帆船模型が入っていた瓶だ。間違いない。
ということはここはヒスパニオーラ号だ。船倉に降りると沢山の食料、飲水など生活の後があった。
どうやらヒスパニオーラ号は、航海の途中で瓶の中に閉じ込められてしまったようだ。
スキップで甲板を走って部員を起こしにいった。
全員を起こすと、みんな周りを見て驚いた。
「ここはどこ?」「立派な船〜」と口々にいう。
全員に説明をした後、航海を再開した。
羅針盤と地図を見て、開いた口が塞がらなくなった。
確かに、現在地は魔の三角海域のど真ん中だった。
地図を見て、カリブ海方面に抜けることにした。
<大航海時代>
ヒスパニオーラ号は、魔の三角海域を抜け、日の光を浴び、キラキラ光る海面を滑るように進んでいる。
現在地はカリブ海。近くに港があるのでよることにした。
奥から大きな帆船が近づいてきた。イギリス国旗を掲げていた。
「イギリス海軍はこんな帆船、持ってなかったはずだけど。」
大型帆船が黒旗を上げる。
黒旗は、命は取らないから降参しろという意味だ。
しかし、この連絡方は何世紀も前に用いられていた物だ。
どうやら魔の三角海域を通った際に時空の狭間を通ったらしい。
だから瓶に閉じ込められたヒスパニオーラ号が自由になったのだ。
まあそんな事を考えている暇もない。
イギリス海軍の快速帆船は赤旗を上げてこちらに迫っていた。
赤旗は、命の保証はないという意味。一刻も早く逃げなければ。
いや、ヒスパニオーラ号なら、応戦できる。戦える。
「帆をたため、取舵いっぱい、右舷の大砲を用意!大砲の玉は船倉にある。」
子どもだけでイギリス海軍に勝てるだろうか、と迷ってはいたが、選択の余地はない。
「発射!!!!!」一斉に大砲が発射。向こうより砲門は少なかったが、足止めには最適だ。
あいてのマストが折れた。いまだ。
「帆を左に回せ、取舵いっぱい、全速前進。」
ヒスパニオーラ号は風をうけ、港に入っていった。
・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・
次回に続く