コメディ・ライト小説(新)
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- 本物の初恋。
- 日時: 2024/03/13 20:04
- 名前: 春花* (ID: hFu5/zEO)
「好きだ」
この言葉が、私の人生を変える物語の始まりだった——。
[1]突然の告白
「右、左、右、右!」
夏休みが終わった、真夏のある日。
小学三年生の私、韓未猫紗良は、運動会のダンスの練習をしていた。
「はいっ、一回休憩しましょう」
先生がそう言い、自分の水筒を取って水を飲んだ。
私も水分を取ろうと、体育館の隅にある自分の水筒を取りに行った。
「ちょっと来て」
その時だった。
同じクラスの男子、心箭裕太に話しかけられた。
私は、少しめんどくさそうにしながらも、裕太に着いていった。
裕太が話……?
——なんだろう、騒がしいな。
そう思って後ろを見ると、同じクラスの男子二人が着いてきた。
「何々⁉︎」
「なんの話?」
「あっち行け!」
裕太は話を聞かれるのが嫌なのか、この空間から追い出すように手をシッシとしている。
私も一応、「ちょっとあっち行ってて」と言った。
「はい、休憩終わり。自分がいた場所に戻ってください」
その時、先生の声がした。
男子二人は自分の場所に戻っている。
裕太も帰ろうとしていた。
なんだったんだろう……。
そう思って、私も自分のところへ戻ろうとした時。
「好きだ」
えっ——?
裕太が、私の耳元でそう言った。
困惑して声が出ない。
す、好き? 裕太が、私のことを?
困惑しすぎて体も動かない。
その時、近くにいた友達がトンと肩を叩いてくれた。
はっとして、すぐさま自分のところへ戻った。
***
練習が終わって、今はクラスごとに二列に並んでいる。
早く並ばないかな~と思いながら、友達と話す。
ちょうど話し終わった後、裕太が私のところへ来てこう言った。
「分かってるか? お前のことが好きだって」
あーもー! 今みんなが集まってるとこで言わないで!
恥ずかしさが込み上げてきた私は、気づけば裕太にこう言っていた。
「分かってるから、早く後ろ並べ‼︎」
あっ……と、全身の血の気がひいていくのが分かった。
いくら恥ずかしくて怒っていても、自分のことを「好き」と言ってくれた人にこの態度はないよね……。
——ごめん。
そう言おうと顔をあげたとき、裕太は目の前から消えていた。
どうやら、私の大声に驚いてスタコラサッサ並んでいったらしい。
はぁ……。
マッジで裕太は馬鹿&性格悪い。
でもなんだか、そういうところを好きになりそう。
いやいや、友達としては好きになるかもだけど、異性とは見ない。
——そう思っていた。
ここから、私は裕太との恋が始まるのだった——。
- Re: 本物の初恋。 ( No.1 )
- 日時: 2024/03/13 20:04
- 名前: 春花* (ID: hFu5/zEO)
[2]バックハグ
告白されてから一日後。
まだ学校に着いていない登校時、私の頭は昨日のことでいっぱい。
——好きだ。
裕太の言葉が頭の中で繰り返される。
その度、顔がカアアアと赤くなる。
告白されるって、こんなにドキドキするんだ......。
私は恋愛経験が、実はない。
保育園の頃、好きな男の子と両想いにはなった。
けど、付き合ってはいない。
小学校が違くなり、離れて、私はその子のことを好きとは思えなくなった。
離れてすぐに。
だから、あれば"本当の恋"とは言えない。
これからのも、本当の恋じゃない。
「おはようございまーす!」
いつも通り大声で挨拶をして、教室に入る。
チラッと裕太を見た。目が合い、慌てて目を逸らす。
……恥ずかしい。
特になにか起こることもなく、帰りの会が終わった。
「天羽ちゃん、優華ちゃん、バイバーイ!」さて、私も帰るっかな~。
「じゃあな!!」
私が歩き出した時、裕太がバッグハグをしてきた。
うっ……こんな人の多い廊下で…….。
恥ずかしいよ……。
「じゃ……」
小さな声でそう言うと、裕太はニヤッとして離れていった。
あーも一、裕太のヤツ……!
「よっ、紗良」
「あっ……空斗」
同じクラスの男子、花菜先空斗が話しかけてきた。
あの時、「何々!?」とか言ってきた、二人の内の一人だ。
「にしても、ラブラブだな〜」「え、なんで」
「だって、図工の時さー」
空斗によると、図工の片付けの時、裕太が私をハグしてガタンっと音が鳴った瞬間に離れたそうだ。
「えっ、嘘」
気づかなかった…….。
「じゃ、バイバーイ」「あっ、うん。バイバーイ」
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