コメディ・ライト小説(新)

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肝試しもどき
日時: 2024/03/28 18:11
名前: 花宮蘭丸 (ID: pRqGJiiJ)

初めまして、花宮蘭丸です。
肝試しとありますが、全然怖くないです。
ただ探検するだけです。でも幽霊はでます。

主な登場人物
森永美緒
テストの成績は二位だが、勉強は嫌い。
才能がないことがコンプレックス。
ツボが浅く引き笑い。
吉田由依
最近、勉強の楽しさに目覚めた。
美緒の親友で、彼女の引き笑いを窓拭きと言った。ツボは深くもないが、浅くもない。

Re: 肝試しもどき ( No.1 )
日時: 2024/03/28 18:16
名前: 花宮蘭丸 (ID: pRqGJiiJ)

ぱちり。
自然と目が覚める。
先程まで、部屋の床に寝転んで昼寝をしていた私、美緒は、ぼんやりとする頭を手で支えながらのそりと起き上がった。さっきまでの自分と同じように、床に転がっているスマホを拾い上げ、時間を確認する。三時過ぎだった。確か、最後に確認した時刻は大体一時ぐらいだったから、もう2時間も寝たことになる。パスワードを入れて、ロックを解除すると、親友である由依からメールが届いていた。
『肝試し、行かない?』

Re: 肝試しもどき ( No.2 )
日時: 2024/03/28 18:32
名前: 花宮蘭丸 (ID: pRqGJiiJ)

あまりにも唐突で、季節外れなお誘いに、思わず「は?」とこぼしてしまう。
今は春だぞ?正気か?と思いつつも、『今の時期に肝試しって斬新な提案すぎん?』と返信した。
一分もしないうちに、既読がついて、返事が届く。
『www』
『いや、それはウチも思ったよ?』
『でもさ、夏にやるよりも気持ち軽いし、怖さも少し減るし、よくない?』
確かに、由依の言うことも分かる。大いにわかる。夏にはやりたくない。
うーん、と唸りながらじっくり考えたのち、ひとまずは『保留で!』とかえした。
私としては、行ってみたいのだが、親が許すかどうかが、問題だった。
私の親は、少し他の家庭よりも、厳しい…というか過保護だ。一人っ子で、それにくわえ40代も終盤に差し掛かる頃にやっと生まれた子だったからだ。
肝試しなんか絶対ダメだと言われる。
どうすべきか、考えていた時、ふとひらめいた。私は言い訳が得意な子供だった。

Re: 肝試しもどき ( No.3 )
日時: 2024/03/28 19:41
名前: 花宮蘭丸 (ID: pRqGJiiJ)

親への説明は「友達と街まで遊びに行く」と言うことにして、許可をとった。
由依にメールで肝試しに行ける、ということを伝えると、早速喜びを爆発させたような返信がきた。その勢いのまま、日程を決めると、ふと肝心なことを聞いてなかったことを思い出した。
『そういえば、どこに行くの?』
由依は、『言ってなかったね、てへぺろ⭐︎』とかわいらしいスタンプと共に返信して、そのあと、廃工場の写真を送ってきた。
『ここ、でるって噂なんだよね』
『へー、案外街から近いんだー』
最寄駅がどこ辺りかを調べて、料金を確認する。百円玉、持ってたかな。
計画を話し合ううちに、あっという間に時は過ぎていく。必要事項が決定したところで、夕飯の完成をつげる母の声が聞こえた。

Re: 肝試しもどき ( No.4 )
日時: 2024/03/30 15:02
名前: 花宮蘭丸 (ID: sxkeSnaJ)

やがて、あっという間に約束の日になった。
初めての肝試しに心臓をバクバクさせながら、箪笥から真新しいTシャツを着て、そこら辺にあったデニムのズボンを履き、ハンガーにかかっていた黒のジャンパーを織った。
「いってきまーすっ!」
いってらしゃっーいという返事を背中で受け取って、ドアを閉める。そのまま駅まで走って行った。
プシュー...と、炭酸ジュースを開ける時に似た音をたてながら、背後で電車のドアが閉ま
る。
ガタゴト、小刻みに揺れる電車の中を吊り革伝いに歩く。
やっとのことで前方にいた由依の元へ辿り着いた。
「おはよー」
「ん、おはよー」
スマホの液晶を指でつっいていた由依が顔を上げた。
他愛もない話をしながら、目的地に辿り着くのを待った。
「にしても、電車代は中学生にとっては、案外痛手だよね」
「そう?」
「そうだよ」
そう言う由依を眺めながら、財布に5000円も入っていることは、秘密にしておこうと誓った。

Re: 肝試しもどき ( No.5 )
日時: 2024/04/13 17:58
名前: 花宮蘭丸 (ID: pRqGJiiJ)

やがて目的の駅につき、揃って降り立つ。
廃工場は街から少し歩いたところにある。
「あれから調べてみたんだけどさ、あの工場で働いていた人が自殺してしまったんだらしいよ」
「怖…」
「あ、驚いたりはしないのね」
「まあ人間ってすぐ死ぬ者だし…むしろ死なないほうが驚き。ま、これは自死だけど」
「なるほどねぇ」
由依が手をぽんとうつ。
その後もこれから肝試しにいくとは考えにくい会話をしながら数分歩くと、目的の廃工場に辿り着いた。
不気味さはとてつもなかったが、まだ明るい時間だったから、その分軽減されていた。
「…いよいよ、だね…」
「おう」
ごくりと唾を飲む。
今更ながら緊張してきた。
「よし…いくぞー!」
由依がそう言うと同時に廃工場の中へと踏み出した。


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