コメディ・ライト小説(新)

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何故か不死身になった名探偵の話 Prologue
日時: 2024/04/24 17:16
名前: ぜろ (ID: vkj9BN7a)

Prologue

鼻歌を歌いながら,俺はドアを開ける。
日当たりの悪い,小さな部屋。
あるのは,向かい合っている椅子と、その間にある机,あとは本棚や大きいデスクのみ。
ここが,俺の職場。そして......。
「おはよう,ワトソン君。」
この様に話しかけてくる女性は......。
女性は......。
.............?
「どうしたんだい?黙り込んじゃって。」
「......嘘だろ?」
「嘘じゃないよ。これは夢ではない。現実だ。」
うざい答えをガン無視し,大きな声で言う。
「死んだよな,昨日、新幹線で。なんでここにいるんだ?」

そう。この女性......白眼しろまなこ七瀬は,昨日死んだ筈だ。
白眼七瀬。別名「灰色の単細胞」。別名の通り,彼女は評判のいい名探偵だ。
身長は135.5センチメートル、体重は35.5キログラム、年齢は自称永遠の十八歳だそうだが,実際のところは二十五歳。
魚{特にマグロ}が好きで,グリーンピースとにんじんが嫌い。
そして俺は,そんな探偵の助手ワトソン時雨時雨ときさめしぐれである。
助手になりたての頃は,よく小莫迦にされたものである。
しかし,探偵の命日は昨日......4月23日だった筈だ。
新幹線テロに関わり,爆発に巻き込まれた俺を庇って,呆気なく。
なんなら,息が絶え,心音が止まるところも見ていた。
しかし......。
「本当に,なんで生きてるんですか?」
「生きてちゃ悪いですかぁ?」
はぁ......。
一瞬偽物かとは思ったが,この無礼極まりない答え方は,明らかに彼女である。
「だって,昨日死んでませんでした?」
「もっと他に聞き方は無かったのかね?」
無い。単刀直入なのは百も承知だが,これ以外聞きようがない気がする。
「まあ,私も初めはそう思ったんだけどね。かくかくしかじかあって,蘇ったって訳さ。」
かくかくしかじかありすぎじゃないか?
まあ,いい。何が起こったのかはわからないが、とにかく探偵に超不可思議で世離れし過ぎた超常現象が起こったのだろう。
「......いつ,宇宙人に怨みを売ったんですか?」
「生憎,私はエスパーでもなんでもないのでね。まあ,わかっているのは組織が絡んでいることのみだ。」
組織......テロリストのことか?
「無論。」
探偵は,俺の心を読んだかの様に答える。
......エスパーじゃないか。
「まあ,生き返って何よりです。昨日の深夜にも,十五件の依頼が来てますよ。早く片付けましょう。」
「あのさ,ワトソン君。一つ聞いていいか?」
「何ですか?」
「此処に来たってことは,君のことだから遺品整理なりをしにきたんじゃないかね?」
「はい。そうですけど?」
「それにしては,上機嫌に入ってきてないか?」
「さて,依頼は山ほどありますよ。早く,犬のバニラちゃんを探してあげましょう!」

日当たりが悪い中,一筋の光が,部屋に差し込んだ。


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