コメディ・ライト小説(新)
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- ぶっとび我儘聖女、リリー
- 日時: 2024/07/10 18:42
- 名前: 匿名Y (ID: J/cl5oqb)
【キャラクター】
・リリー
聖女。そして女主人公。大衆の前では微笑みを絶やさない完璧な〈慈愛の聖女〉だが、グレイの前では天真
爛漫で頭のイカれたぶっとび我儘聖女。実はピュアな部分がある。
・グレイ
騎士。そして男主人公。大衆の前では勇気があり思いやりの強い〈英雄の騎士〉だが、リリーの前では腹黒
で口が悪く、強欲なクズ馬鹿騎士。リリーを敵対視しているが……。
※オリジナル設定あります。
※表現がおかしかったらすみません。
※誤字等あったらすみません。
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「聖女さまに眷属が出来たんだって!」
「本当⁉つまり今日は……」
「「任命式だ!」」
ここはグレブリュード国。はるか南からちょっと北の位置という微妙なところにある国だ。ここは別名〈光と笑顔の国〉。その名の通り、国にはいつも光と笑顔が絶えなかった……――。
「聖女リリーさまの御登壇でございます」
国の放送機から声がする。人々は急いで広場へと向かった。
*
「きゃああ!聖女さまよ!」
「なんてお美しいの…!」
「見てみろ!あの愛ある微笑み!」
「あの人こそまさに〈慈愛の聖女〉だよ!」
人々が口々に言う。金色の髪に白い瞳。聖女にしか与えられない容姿をもっている彼女は完全なる聖女だったのだ。
「聖女リリーさまがお話になります」
「皆さま、お集まりくださり有難うございます…。本日は皆さまの貴重なお時間を奪ってしまい、誠に申し訳ございません…」
その場が静かになる。聖女の言葉に人々は「全然、いいですよ!」と明るく反応した。この国の温かさが感じられる。
「……有難うございます。本日は私が任命した眷属を発表するためにこの場を設けさせていただきました」
コツ…コツ…と静寂の中に足音がする。現れたのは騎士グレイだった。
「リリーさまの眷属となりました、グレイです。精一杯務めさせていただきます!」
ニコッと彼が微笑むとその場が安堵と歓喜で満たされた。「騎士グレイさまなら安心だ」その言葉があちこちから聞こえてきた。
「では眷属の儀式を」
「「はい/ええ」」
二人が手を重ねる。すると手に複雑な魔法陣が浮かび上がった。
「……〈契約〉」
わああ!と歓声が上がる。皆は誰一人想像できないだろう。二人の本心を。
(やっと……やっとだわ!ふ、ふふふ…!無理やり眷属にされた気分はどう、グレイ?)
(クソが…。ぜってぇ、許さねぇ…!今に見てろよ、我儘聖女!!!)
……二人の本性を。