コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

わたしの音。
日時: 2024/07/31 07:45
名前: 天照和子 (ID: f..WtEHf)

惨めだ。なんて惨めなんだ。この1ヶ月間,わたしは一体何をしてきたんだ?振り返ればそこは,引き返す余地もない荒れた道が広がっている。もう,後戻りはできない。やり直しも効かない。時間は止まってくれない。どうして,どうして!わたしはできないの?意志が弱いから?ピアノが好きじゃないから?楽しくないから?

いや,違う。これ以上強い意志を持ったことはない。ピアノが大好きだ。楽しいんだ!じゃあ,どうして?わたしはこんなにも情けない。あと5日,わたしはどう取り返せる?

日本最高峰のピアノコンクール。6月に予選があり,わたしは突破することができた。4月から闘いは始まっていて,8月の全国大会へ行くことを目標とし,作曲家について学んだり,講師が公開した指導動画を見たり,リハーサルに出てみたり。たくさんのことを,できることをやってきた。やってきたはずだった。あと5日後には本選が待っている。そこには,わたしがライバルだと思う参加者は6名ほど。特に,羽多野さんなんか強敵だ。ありえないほどの実力を持っている。絶対に勝ち取りたい!そう思ったわたしは,これまでにないくらい強い意志を持ち,その目標に到達するまで何度でも立ち上がった。
本番が翌月となる7月,母が介護から仕事へ働き始めた。妹2人と弟は,それぞれ学童や保育園へ通い始めた。しかし,7月下旬からは,毎年恒例の夏休みが始まる。わたしも,今年から中学校に上がり,中学生初めての夏休みだ。妹も同じコンクールに出場している。しかし,両親は仕事,妹たちはそれぞれの持ち場へ。家にはわたし1人だ。つまり,ピアノを思う存分ならすことができる。2週間の時間が生まれたのだ!
しかし,わたしにはスマホという天敵がいた。普段は家族連絡用として使用しているが,ついつい調べ物をしてしまう。今時はやっているYouTubeなど,インターネットの世界は楽しい。しかし,わたしはピアノに専念するために夏休みを活用すると決めている。だから,手放そうと決めていた。

現在。ベートーヴェン先生とメンデルスゾーン先生の曲に曲を弾くが,ベートーヴェンは初めてで難しいよと先生にも言われていた。しかし,先生も挑戦してみようと一緒にベートーヴェン先生を選んだのだ。だが,やはり難しい。何がと言ったら,テンポを安定させることや三連符。特にベートーヴェン先生の命である強弱なんか「言うは易く行うは難し」だ。相当な練習が必要だった。頑張ったは頑張ったよ。だが,1人の時間,やはり、、
、スマホへと手を伸ばす。罪悪感やだめだ!とも思う。毎日がそれとの闘いだった。でも,負けたんだ。スマホに。
残り5日。今更になって焦り始める。こんなにも焦ったことはないだろう。今年,同じメンバーで,同じ曲を弾き,競い合うのは最初で最後だ。今からでもまだ間に合う。確実に音の完成度は高まってきている。周りからもそう言われた。惨めだったよ,わたしは。無駄にしたんだ,あの時間を。ベートーヴェン先生,メンデルスゾーン先生,お願いです。。

わたしは愚かで惨めで大馬鹿者です。ピアノに向き合うことも許されないかもしれない。競う価値もないかもしれない。ですが,この曲を奏でたいのは,きっと,誰よりも強いと自信があります!今更です,今更ですよ。今更ですが,やりたい。

全国へ,行かせて。





残り5日。わたしはどう変わり,どう取り返す?そうして,本番はどんな演奏をするのだろうか。今まで努力してこなかったわたしに,1%の希望をー

Re: わたしの音。 ( No.1 )
日時: 2024/07/31 09:00
名前: 天照和子 (ID: f..WtEHf)


こんにちは。ピアノのコンクールに出場する「わたし」の物語ですが,これは実際に今の,現在の私です。(天照和子(山城紘菜)のこと)本番はまだきていませんが,5日後。どんな演奏をするのでしょうね。

アドバイスでもなんでもいいです。コメントをくれてもいいです。しかし,私が今1番欲しいのは,この私へのメッセージです。それについでにアドバイスくれたら嬉しいです。お願いします。

Re: わたしの音。 ( No.2 )
日時: 2024/09/17 20:55
名前: 副管理人 ◆xEuPv5Ew/g (ID: 549un0nz)

突然失礼いたします。副管理人です。
普段はあまり小説本文のスレッドに書き込むことはしておりませんが、
このスレッドを偶々拝見し、コメントを望まれているようでしたので一言書き込ませていただきますね。

ピアノは、上手でも下手でもその人らしさを感じさせるので好きですよ。
スマホに逃げたい、逃げた、という気持ちも共感できます。
結果が自分の心の中ですでに見えてしまっているような気がするとき、よくそのような気持ちになりますね…。
ただ、上の本文を読む限り、あなたの音色を一度聴いてみたくなった読者(当方)がここにいますよ。
大丈夫です。またゆっくりと力がわいたら始めてみましょう。
続きを楽しみにしています。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。