コメディ・ライト小説(新)
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- 逢魔が時におかえり
- 日時: 2024/10/06 23:55
- 名前: mie (ID: sp0cIx.0)
「 ほら ぼくたちと あそびましょ 」
・突発!突貫!趣味に走った都市伝説モチーフキャラの反応集です。
・偽造、独自解釈、オリジナル設定あり。
・別サイト様にも掲載しています。
キャラクター紹介 >>1
目次 >>2
■キャラクター
アケミちゃん:なにを考えているかわからない系ガール
ヒギョウさま:貴方に懐いている無邪気な子供
おおいさん:ふわふわ間延び口調の青年
旅館の求人:み~んな嫌い!! なツンデレボーイ
邪視:ヤンデレ気質な恥ずかしがりや
怪人赤マント:ちょっと思考が古めな堅物軍人
NNN臨時放送:常識人で苦労人な仕事したくないマン
リゾートバイト:訳あり二重人格大学生
光の誓い:テンションの高低差が激しいみんなの先生
ゾンビ:いつも元気なオカルト好きの幼馴染
北海道のヒグマ:貴方を崇拝している真面目っ子
シシノケ:口数が少ない無性の神様
- Re: 逢魔が時におかえり ( No.1 )
- 日時: 2024/10/06 23:59
- 名前: mie (ID: sp0cIx.0)
【キャラクター紹介】
■アケミちゃん
私/ナマエさん/19歳/黒髪のセミロング
・タメ口と敬語が混ざる大学生の女性。感情が人並みではなく、斜に構えている言動が多い。
・付喪神の部類。人間のことは勉強中。話す話題がころころと変わる。
■ヒギョウさま
ヒギョウ/ナマエ、ニンゲン/10代前半/両腕と下半身が雛っぽい
・"弟"の魂を食らい、体を奪った生まれたての神様。目に特殊な力があり、暴走したら止められる術を持たない。魂を食らったのは無意識であり悪意はない。
・独特な語尾をつけて話す。
■おおいさん
おれ/ナマエ/20代/季節感がない格好をしている
・気まぐれで自由人な青年。生者の魂を"ちょうだい"するのが好き。食べること自体も好き。よくコンビニでスナックを買っている。
・間延びした口調で話す。
■旅館の求人
僕/ナマエ/10代前半/浴衣を着ている
・旅行にきていたところ、火事に遭い亡くなってしまった少年。みんな大嫌い、寂しい、だからこっちに引きこむね……。
・本名は神尾。寒がり。暑すぎるのもそれはそれで嫌。
■邪視
僕/ナマエさん/20代/長髪+サングラスをかけている
・目を合わせた相手を極端にネガティブな気持ちにさせる力を持つ青年。邪視自身も割りとネガティブ。生者に擬態しており、本来の姿は単眼(縦型)持ち。ハレンチなもの絶許マン。
・Nと並んで生者に近い価値観を持っているけど、自身がネガティブになったときは価値観が狂う。
■怪人赤マント
自分、俺/貴殿、ナマエ/20代/緑色の軍服+赤マント
・少女を狙う怪人だと噂されている男性。実際は"弱者"なら誰でも守ろうとする堅物軍人であり、少女を狙いがちなのは"大人より子供、男より女のほうが弱いから"だそう。価値観や思考が古い。
・本名は赤橋明(あかばし あきら)。
■NNN臨時放送
俺/ナマエさん/20歳/全身黒ずくめ
・真夜中に臨時放送を流している男性。人の生死を直視するのが苦手らしく、自身の"仕事"が大嫌い。オフの日が好き。
・貴方はNと呼んでいる。
■リゾートバイト
おれ、俺、あたし/ナマエ/21歳/パンクな服装をしている
・貴方が住む地域外でリゾートバイトをしたこと以外はなにも教えてくれない青年。
・美咲という名前を教えられたが、偽名っぽいような……?
■光の誓い
私/ナマエちゃん/20代/エプロンを身につけている
・貴方のもとに現れた不審な男性。自称"先生"。たまにがくんとテンションが落ちる。
・ユウという名前を教えてもらった。
■ゾンビ
オレ/ナマエ/貴方によって変動(同い年)/前髪を後ろに流して留めている
・不幸体質により亡くなってしまい怪異となった幼馴染。いつも元気なオカルト好き。
・ゾンビなので聴力以外の感覚がない。聴力は不思議な力でなんとかしているらしい。
・本名は三枝深琴(さえぐさ みこと)。
■北海道のヒグマ+国道40号ばばばばばばえおうぃおい~べべべべべべべべべえべえええべえべべべえ
おれ/ミョウジ/10代/手足がヒグマと同じ
・怪異が関係している施設で働いているらしい少年。いつもおどおどしている。たまに貴方に狂気的な執着を見せるときがある。
・目が悪いかわりに鼻と耳がいい。よく貴方に頬ずりをする。
・貴方はクマと呼んでいる。
■シシノケ
私/ミョウジ殿/20代/床につくまでの長髪を持っている
・口数が少ない謎の怪異。無性。その正体はある神が忘れ去られた結果、堕ちてしまった存在。
・犬に嫌われやすい。
・貴方はシシさんと呼んでいる。
- Re: 逢魔が時におかえり ( No.2 )
- 日時: 2024/10/06 23:54
- 名前: mie (ID: sp0cIx.0)
【目次】
はじめまして! >>3
- Re: 逢魔が時におかえり ( No.3 )
- 日時: 2024/10/07 00:02
- 名前: mie (ID: sp0cIx.0)
【はじめまして!】
■アケミちゃん
「ねえ、今私のこと見てたよね?」
くりくりとした丸目が貴方を捉える。
単調、しかし冷淡には聞こえない声を探すと、大学生ぐらいの女性が貴方の近くに立っていた。肩までの黒髪を揺らしてくすりくすりと笑っている。
「えー、違う? あはは、そんなことないですよね。……あなた、私が見えるんだ。面白いひと」
貴方を見定めているような視線にたじろぐと、そのほのかな笑い声が一段階強まった。第一印象は"大人しそうな子"。しかし、その無感情な声色から、彼女がただ者ではない雰囲気を感じる……。
「そうだ、これ。んー……ここかな。入れておいてあげるね」
――ぱっ。ズボンをまさぐる貴方。
勝手に預けられたものを手のひらで掬った直後、貴方は悲鳴を上げた。それは人の指だったからだ。
「"私"だよ。プレゼント。……捨てたら殺しちゃうから」
■ヒギョウさま
「こんばんはなのよ!」
夜にはそぐわない甲高い挨拶に肩を揺らす貴方。
時間帯も時間帯、遊ぶ人すらいない公園の入り口で一人の子供が万歳をしていた。
こんな時間に出歩いてはいけないと諭そうとして、彼の手足に釘付けになる。――人間のものではない、雛が持つにふさわしいそれ。
「あ! ヒギョウが見えるのね? うれしーのよ! ようやくヒギョウが見えるニンゲンに会えたのよ!」
固まった貴方に構いもせず人懐こくこちらを見つめてくる、その目。異質ではないはずの存在が、なぜだかどうしようもなく異質なモノに思える。――なぜだろう?
「このカラダ、ちいこくてフベンなのよ。でも、このカラダだとたくさん構ってもらえるはずなのよ。"コドモ"だもの! えーと、ニンゲンのナマエは……」
自己紹介をする。ヒギョウと名乗る子供は、じわじわと両頬を赤色に染めた。どうやら嬉しがっているようだ。
「ナマエ! ナマエ、ヒギョウのことたくさんなでるのよ! 早く早く!」
……なでてあげようか?
■おおいさん
ぽろ、と前からガムがこぼれてきた。
手前の……男性が持ち主だろうか。そう考えた貴方は落とし物ですよと声をかける。
温厚そうな青年が目を見開いた後、「ありがと~」とガムを受けとった。
「きみ、優しいねえ。……唐揚げあげる~」
……串をいただいてしまった。
「今おれ気分いいんだあ。みっつごはん食べたから。……おやつにきみでも食べようかなあ」
……なにをいって?
「ねえ、いのちちょうだい。だめ~?」
支離滅裂だし、"いのち"が命であれば無理だ、と貴方は断る。
「そっかあ。じゃあ、いつかぜーんぶもらおっと」
残念そうにする青年にいつかもなにもないと言い放つと、「じょ~だん、じょ~だん」と微笑まれた。
――はぐらかさないで!
■旅館の求人
携帯が鳴っている。相手の名前は……文字化けしている?
故障だろうか。とりあえず出てみることにした。
――ザ、ザザ。
「死ね」
――沈黙。
いきなりの罵倒をされるほど、自分はなにかしでかしただろうか。貴方は考える。
「死ね……死ね……! お前も僕と同じように、焼死してしまえ……!」
聞き覚えのない声だ、友人ではないだろう。きみのことを知らないけれど、と質問してみる。
「当然だろ。僕もお前とは初対面だよ」
じゃあ恨み言をいわれる覚えはないけれど……。
「僕は人間全員嫌いなんだ、お前のことも当然嫌いだ! バイトにいく途中で呪いでも受けてしまえばいい!」
……とりあえず、名前だけでも教えて。そういわず、できれば仲良くしてほしい。
「は」
駄目?
「……神尾!!」
――ツー、ツー。
通話が終わってしまった。貴方の念押しに答えてくれた"神尾"なる声の主は、きっと本当はいい人なはず。貴方はそう思った。
■邪視
「わっ!?」
夕暮れを楽しむ散歩の途中、誰かとぶつかった。その拍子に落ちたのだろう、ぶつかった相手のものと思われるサングラスを拾い、謝ろうと頭を上げ――暗転。
「あ、駄目。僕の目、見ないでください」
頭がかき乱される感覚と共に足がもつれる。瞬間、貴方の思考は底が見えない絶望に支配されていた。それがぱっと消えたかと思えば、サングラスをかけた青年が一人。
……今のは。
「えっと……お気になさらず。もう大丈夫ですので」
不可解だと思ったが体調は元通り。貴方はうなずき、しかし、地面に落とされたサングラスでないものに気づいた。コンビニで買える少年向けの雑誌だ。表紙が"そういう"アイドルの。
彼のものだろうか。貴方は雑誌を見せる。すると、見る見るうちに彼の顔が真っ赤になっていった。口をぱくぱくさせている。
「な、なな、な……!? そ、そんなものっ――ハレンチです!!」
……こ、これぐらいで?
「ふ、不浄です! きみ、まさか僕をそういう目に遭わせようと……!? そういう本みたいに! そういう本みたいに!!」
しないよ。
■怪人赤マント
貴方は目を開けた。どうやら今まで眠っていたようだ。倦怠感と頭痛に不快感を覚えつつ正面を向くと――軍服と赤いマントを着た男性がいた。
面識はない。腕がやけに重いと思っていたが、縄で縛られている。腕だけでなく足も同様だ。
捕らわれている。そう気づいた貴方は、目の前の男性を睨んだ。なにをする気?
「なにもしない。ただ貴殿を守りたかっただけだ」
その声色は真剣そのもので、本音をいっているのだと理解する。
だとしてもやりすぎだ。
「しかし、貴殿は危険な怪異どもに狙われている。乱暴な手だと理解はしていたが、貴殿の命を失わせないためには仕方ないのだと……」
危険な怪異ども?
「生者を理解できない付喪神、なりかわりの力を持つ神を自称する者、たわいなく生者を食らうモノ……知っているだろう?」
確かに心当たりはあるけれど……。
今のところ危険な目には遭っていない、なにかあったら遠慮なく助けを呼ぶから、どうか縄を解いてほしいと頼んだ。彼が唸る。
「しかし……いや、そうだな。牙を剥かれたら俺を呼んでくれ」
彼の名前となぜ軍服を着ているのか問うと、不敵な笑みを浮かべたあと敬礼された。
「はっ。自分は赤橋明中尉であります! ……理解したか?」
――なるほど。
- Re: 逢魔が時におかえり ( No.4 )
- 日時: 2024/10/07 00:04
- 名前: mie (ID: sp0cIx.0)
【好きっていってみた】
■アケミちゃん
「好き……好き、かあ……」
貴方の言葉を受けて、ころりと目を丸くする彼女。噛みしめるように何回か呟いたあと、貴方の顔を覗きこんできた。不透明の瞳が貴方だけを捉える。
「私、"そういう気持ち"、わからないんだよね。だからそういうこといわれてもぜーんぜん。ナマエさん、そういうのに敏感?」
敏感というほどではないが、人並みになら。
「そっか~……。なら、あなたに教えてもらおうかな。なんで好きっていったの?」
どう答えればいいか、答える行為そのものに羞恥心を感じている貴方を見、くすりくすりと笑う彼女。
「教えてよ~。ふふっ」
本当にわからないんだよね……!?
■ヒギョウさま
「――!! ヒギョウもナマエのこと、だいすきなのよ!!」
出会ったときと変わらない万歳のあと、力強く抱きしめられた。ちょっと痛い。
「ニンゲンはヒギョウのどこが好きなのよ? ヒギョウはねー、んっとねー、いつもおやつくれる! うれしーのよ!」
更に力が強まる。ぎし、と体が悲鳴をあげはじめた。なぜか異質に感じられる"ただの目"が三日月を形作る。
「にへへ……お礼の"ぷれぜんと"あげるのよ。ニンゲンは見た目を気にするのね? カガミとかあったらうれしーのよ!」
お金、持ってるの?
「あ」
――どさっ。
唐突に解き放たれる体。地面に尻餅をついた彼が呆けながら呟く。
「持ってないのよ」
そっか……。
■おおいさん
「……。おれもすきだよ~」
本当?
「ほんとほんと~。んー……これあげる」
好意の表れとして唐揚げ串をもらった。……この前も買っていた気がする。好物なのだろうか。――おいしい。
あと一個で完食というところで、お礼をいうべく彼のほうに向き直る。静かに微笑みだけを湛える彼に、貴方は首を傾げた。
「肥えたほうがお得だもんね」
――今、なんて?
■旅館の求人
「は?」
足蹴にされてしまった。
「まだなにも知らないのに、よくそんなこといえるよな。なんだ、とんちか? 僕を納得させてみろよ」
そういわれても……。
貴方はしばらく思考したあと、ふと思ったことを聞いてみた。
ところで、どういう"好き"だと思ったの?
「は……あ!?」
耳赤くなってたりしない?
「なっ……てない!! どういう、とか……そんなのない!! 教えるか、バーカ!!」
――ツー、ツー。
電話が切れてしまった。……仲良くなるにはまだ時間がかかるようだ。
■邪視
「ええ、ふふ。僕もナマエさんのこと好きですよ」
サングラス越しに目尻が柔らかくなったのが見えた。おかしそうに笑うのに合わせて、彼の特徴的な長髪が揺れる。
……邪視って髪、なかったような?
「ああ、生者に擬態しているんですよ。初対面のときは力を発動させてしまいましたけど、ある程度は制御可能で……目だって本当は――」
彼の話を聞いている中、貴方は道端に"そういう本"が落ちているのを見つけた。貴方の視線を追いかけた彼が「きゃあーっ!?」と悲鳴をあげる。
「ハ、ハハ、ハレンチな!!」
――えっ!?
出会ったときと同じように顔を赤くした彼を見て驚く貴方。二つあるはずの目が一つしかない! しかも縦型だ!
「ナマエさん、今すぐその本から離れて!! あんなもの見てはいけませんっ!!」
あの、擬態が解けてるんですけど――
「不浄なものより僕の目をみてください!!」
見ないでって前にいわれたのに!?
■怪人赤マント
「す、好き……そうか……」
顎をさすりながら目を背けられた。素直な言葉に弱いんだな……。
「あのような出会いかたをしたというのに……貴殿は寛大な御方なのだな。……感謝する」
どういたしまして。
「自分――俺もナマエを好意的に思っている。これからもおつきあい願いたい」
まっすぐな目と差し伸べられた手がこそばゆくて、少しだけ視線を外してしまった。まばたきをする彼。その後、ふ、と弧を描く口。
「貴殿は存外はにかみ屋なのだな」
貴方のせいですと答えるとお互いさまだと返された。お堅い印象だったけれど、"存外"口が回るみたいだ。
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