コメディ・ライト小説(新)

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部活の先輩に恋をして、それから・・・(2)
日時: 2025/01/17 19:41
名前: しろねこ (ID: 7ikYb8tc)

活動を始めて1週間が経った。まだ全然慣れていないけど、頑張らないといけないんだ。始めのうちから、しっかりしなくちゃ。
今日は、部員同士で自己紹介をする日だ。見慣れない顔の人ばかりで緊張するけど、ここは勇気を出して言わないと。
「えっと、1年3組の、辻村百生つじむらももせです。好きなスポーツは野球で、年に2回ほど野球観戦に行きます。よろしくお願いします!」
すぐに拍手が起こった。ふと、副部長の顔を見ると、ニヤニヤしていた。多分、自分と気が合いそうな人が、新入部員にいたからだろう。私もなんだか嬉しくて、こっそりニヤニヤしていた。

「改めまして、部長の千原長門ちはらながとです。趣味はパソコンいじりで・・・」
「改めて、副部長の釜元烈かまもとれつでーす!趣味は野球観戦で、自衛隊も好きです!」
乙黒遥花おとぐろはるかです。私も野球が好きです。よろしく。」
自己紹介は着々と進み、気づけば活動時間いっぱいまで、自己紹介をしていた。副部長の下の名前って、「烈」なんだ。外面のイメージとは、まるで正反対の名前だ。でも、素敵な名前だと心底思う。終わりのチャイムが校内に鳴り響く。このチャイムは、なぜかは分からないけど、何か物寂しい雰囲気のチャイムだ。部活が終わるたび、少しだけ、悲しくなるような。

「はい、今日の活動はここまでですね。皆さん、良い自己紹介で、聞いていてとても楽しい気分になりました。それでは、挨拶あいさつをお願いします。」
「気をつけ、ありがとうございました。さようなら。」
挨拶を終え、帰路につく。通学かばんを背負い、靴箱に入れていた上履きを取り、上履きを履く瞬間だった。副部長に話しかけられた。
「えーっと、辻村さんだ!野球好きなの?俺も好きなんだー!部員としても、野球ファンとしても
よろしくね!」
「あ、はい。そうですね。よろしくお願いします!」
そう言うと、彼はうなずきながら、そそくさに部室を出て行った。部員に話かけられたのなんて、私には初めてだ。部員からは、今まで一言も話しかけられたことがなかった。その1人目が私が好きな副部長だなんて、運が良すぎる。これは、何かの縁に違いないだろう。やっぱり、副部長はかっこよかった。話している姿も、頷く姿も、去っていく姿も。全てがかっこよく見えた。
ああ、早く次の部活の日にならないかな。次の活動は、来週にある。待ちきれない。
何というか、部活に入る本来の目的を忘れているような気がする。本来は、タイピングやプログラミングが上手くなりたいため。だけど今は、彼の顔を見るため。こんなのおかしい、と分かってはいたが、彼のことを考えるたび、本来の目的なんて、どうでも良くなった。

その日は、宿題なんて、手につくわけがなかった。頭の中は、話しかけられたことの嬉しさと、彼の顔がしっかり見られたということだけでいっぱいだった。
恋物語には、1ページだけ、物語が追加された。


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