コメディ・ライト小説(新)
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- 翔んで熊谷
- 日時: 2025/02/22 15:04
- 名前: くまがや星人 (ID: lCrzzWFh)
※この物語は、フィクションである。
2025年、2月から、とある映画が始まる・・・。
その名も、翔んで熊谷・・・。
小説カキコ史上、初の約2時間もの物語が・・・
今、始まる・・・!!
これは、とある日の朝のことである。
「うう・・・あ・・・暑い・・・」
そう答えていたのは、布団をめちゃくちゃにする美少年だった。
今日は、特に暑く感じられた。まるで、砂漠にいるかのようだった。
その為、なかなか眠ることができず、こうして目が覚めてしまったという訳である。
「どうなっているんだ!」
体を起こしながら、隣にいた家来に怒りを上げた。
ちなみに彼は、超エリート美少年の熊谷雫。
そんな彼の名前を知る者は、埼玉では少なくはない。
そんな彼は、まるで王子様のような服装をしていた。
何故なら、彼こそが、熊谷市を今の形にさせた人物だったからだ・・・。
「大丈夫ですか・・・?」
しかし雫は、家来の口も利かずに、怒鳴り散らした。
「なぜ、ここまで暑いのだ!毎年毎年、例年より暑くなっている気がするぞ!」
その言葉に怯え、すぐに家来は謝った。
「申し訳ありません!あいにく、何者かによって、昨日の夜中にエアコンを盗まれたそうでして・・・」
そう言われると、雫の顔が、より一層険しくなる。
「なんだと!?エアコンを盗まれた!?あのエアコンは、熊谷市に一つしかないエアコンなのだぞ!」
「申し訳ありません!恐らく、昨日の残暑により、熱中症になってしまった者たちが続出してしまったせいで、防衛が弱くなってしまい、簡単にエアコンを盗まれてしまったのではないかと・・・それより、一回落ち着きましょ!ねっ?ただでさえ、暑いというのに、そんな顔をしていては、余計に暑くなりますよ!」
「誰のせいだと思っている!!防衛がちゃんと出来ていないお前らのせいだろうが!!」
再び、雫は家来に怒鳴り散らした。
「ひっ!申し訳ございませんっ!・・・あの、家来たちにエアコンを探すよう、要求しましょうか・・・?」
「そうだな。では、他の家来を今すぐ此処に集めよ!」
「はっ!」
急いで、家来は他の屋敷に向かって走り出した。
それから1分後・・・。
「連れてまいりました!」
「なに!?これしかいないのか!?」
その人数は、僅か20人ほどだった。本当は70人いたはずなのに。
「申し訳ありません!やはり、昨日の残暑で熱中症になった者が、まだ回復していないそうでして・・・」
「うーむ、これから屋敷外に行くというのに、これしかいないとなると・・・」
「あの、そこでですが、とある助っ人をお呼びしてまいりました!」
「助っ人?」
雫は、疑問に思った。そんな者は要求していないのに。
「はいっ!そろそろ、こちらに来るはずです!」
すると、ニャオザネの着ぐるみを着た者が、そのままこちらへやってきた。
そのまま礼をしようと、その着ぐるみが頭を下げると、重心が乗らなくて、前へ倒れてしまった。
「おい!大丈夫か!?」
こんな暑い日に着ぐるみを着ていては、倒れてしまっても無理はない。
家来の呼びかけにも応答しなかった。
「水!水を持ってこい!」
「分かった!」
一人の家来が、急いで水を汲みに井戸へ向かう。
その様子を見た雫は、溜息をついた。
「助っ人どころか、倒れてしまっては意味がないではないか!もっと真面な奴を連れてこい!」
「雫様、それが助っ人はこの方だけでして・・・」
そう告げられた瞬間、雫は再び驚いた。
「なにっ!?じゃあつまり、今動けるのはお主らだけということか!?」
「はい、今のところは・・・」
その時、一人の家来がコップを持って、戻って来た。
「水、持ってきたぞ!」
「よし、飲ませろ!」
「分かった!でも、その前に着ぐるみを脱がせねえと・・・!」
「そっか、よし、じゃあ、大きなかぶ作戦だ!みんな、俺の後ろに並んでくれ!」
「分かった!」
そう言って、家来たちは、一人の家来の後ろに列を作って並ぶ。それを見た雫は、あきれてしまっていた。
「よし、お前は逆方向に着ぐるみを引っ張ってくれ!」
「分かった!」
その場にコップを置き、その家来は逆の方へと行った。
「いくぞ!せーの・・・!」
そのまま、着ぐるみを脱がせようとするが、なかなか脱げ出せなかった。
また、暑さもあるのか、家来たちは、いつもよりも力が弱くなっていた。
「もう、そんな者、放っておけ!エアコンの方が大事だ!」
ついに雫は、家来に叫ぶ。
「しかし、雫様!」
「そいつは、何処から来たかもわからぬ、外部の人間なのだぞ!エアコンが見つかれば、そんな奴らいくらでも救えるだろ!」
「確かにそうだ!」
「お、おう!」
みんな、次々に手を離す。
「申し訳ないが、少しの間我慢しててくれ」
家来の一人が着ぐるみに伝えた。
「う・・・ううう・・・」
着ぐるみは、苦しそうに声を上げていた。これ以上、犠牲者を増やさない為には、エアコンを見つけ出すしかない。こうして、家来たちのエアコンを探す旅は始まったのだった・・・。
その話を、カーラジオで聞いていた家族。
「ついに、家来たちは旅に出るのね!」
「ああ、どうなるのか楽しみだなあ!」
「はあ、エアコンとか、どうでもよくない?」
期待する父と母に、娘が口をはさむ。その瞬間、父と母は、娘の方を向く。
「何を言ってるんだ!エアコンは、家でも車でも、大切な製品だぞ!」
「そうよ!特にわれわれ、熊谷市民からしたら、エアコンは必需品なんだから!」
「はいはい、分かったって。二人とも暑苦しいから、いったん、落ち着いて・・・。はあ、にしても、何でこんなに混んでるのよー!!」
ここ、国道17号は大渋滞していた。
こんなに暑い今日に限って、物凄い渋滞だ。