コメディ・ライト小説(新)

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爆走メトロノーム!
日時: 2025/04/05 21:19
名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)

♡内容♡
これは、人生のどん底にいる主人公、紅曽根 美玖が、世界一のアイドルを目指すお話である。
美玖が活動しているグループ『METORO ♪ NOMU』では、酷い嫌がらせが増えていた。
それは、美玖があるドラマの出演が決まってからだ。
共演相手は、超人気男性アイドルグループ『★HAMARU★』のセンター、金宮 奏。
嫌がらせは金宮ファンや、メンバーによるものだった。
美玖を嫌がらせから守ったのは、奏だった、、、
美玖の人生は、奏との出会いで大きく変わってゆく。
そして、東京ドームへの夢に向かって爆走を始める。

♡登場人物♡

名前:紅曽根 美玖(あかそね みく)
『METORO ♪ NOMU』のセンターを務めている。嫌がらせにより、人生のどん底に突き落とされる。

名前:金宮 奏(かなみや そう)
『★HAMARU★』のセンターを務めている。美玖を、ファンの嫌がらせから守り抜く。

名前:小宮山 苺(こみやま いちご)
『METORO ♪ NOMU』の一番人気メンバー。そして、美玖の事が嫌いで、嫌がらせをする。

名前:川南 裕翔(かわなみ ゆうと)
『★HAMARU★』のメインボーカルを務めている。お笑い担当とも言われていて、子供に人気。

♡『METORO ♪ NOMU』他のメンバー♡

名前:暁月 千夏(あかつき ちなつ)

名前:三嶋 朱里(みしま あかり)

名前:明星 未来(あけぼし みらい)

名前:畑中 結衣(はたなか ゆい)

♡『★HAMARU★』他のメンバー♡

名前:石黒 悠(いしぐろ ゆう)

名前:美濃又 亜門(みのまた あもん)

名前:髙石 蒼(たかいし あおい)

名前:小鳥遊 麗(たかなし れい)

♡他の登場人物♡

名前:田島 健二郎(たじま けんじろう)
〘プロデューサー〙

名前:百瀬 彩(ももせ あや)
〘美玖と仲良しなスタッフ〙

名前:花道 沙也加(はなみち さやか)
〘伝説のアイドル〙

♡追加キャラクター♡

名前:早乙女 亮子(さおとめ りょうこ)
〘STER☆DREAM社の社長〙

(STER☆DREAM社とは、『METORO♪NOMU』や、『★HAMARU★』をプロデュースした会社)

名前:美鈴 歌恋(みすず かれん)
〘『METORO♪NOMU』の新メンバー〙

名前:東川 愛里寿(ひがしかわ ありす)
〘『METORO♪NOMU』の新メンバー〙

♡ご忠告♡
投稿した作品には、打ち間違いがある可能性があります。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

ぜひ、美玖になった気分で読んでみて下さい!楽しんで読んでもらえると、私としても嬉しいです!

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

爆走メトロノーム!#1『偽りの笑み』 ( No.1 )
日時: 2025/03/23 17:59
名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)

『みんな〜!「METORO ♪ NOMU」のライブに来てくれて、ありがと〜!今日はみんな、沢山楽しんでね〜♪』

スマホの画面に映る私を、私は真剣に見つめていた。
自分の悪い所を見つけ出す為に。
私は、『METORO ♪ NOMU』というグループのセンターを務めている。
このグループで、役に立たなくてはならない。
このグループで、売れるんだ。
このグループのセンターは、一流でなきゃいけないんだ。
だから私が、一流になってみせる!

とか思ってたけど、、、
もうどうでも良いや、、、

「美玖ってさぁ、ウザいよね〜!」
「分かる!『私は一流です』って感じ出してんのマジウザい〜!」

私は、悪口を言うメンバーの、苺と、千夏にバレないように、端で隠れて聞き耳を立てていた。
みんなにこんなふうに思われてたなんて、知らなかった。
私はこっそり逃げようとした。
その時。

(あ、、、)

その瞬間に、手元に持っていた水筒を落としてしまった。
そして、よりにもよって、水筒は二人の足元に転がっていった。

「う〜わ、、、最悪ぅ、、、」
「全部聞いてたわけ?キモ、、、」

二人のその言葉に、涙が溢れた。
二人の会話を聞くまで、ずっと目をキラキラさせて練習していたのに、今ではもう、何の光も入っていなかった。

「美玖、みんなあんたの事嫌ってるよ?うちらも同じだし?」
「そうそう、だからさ、、、」

そう言って、苺は私の事をきつい目で見つめてくる。
私は、一歩引く。

「消えてくんない?」

苺の言葉は、心奥深くに入ってきて、頭から離れようとしなかった。
しかも、その相手が苺だから。
苺は、『METORO ♪ NOMU』の一番人気メンバー。
しかも、私にいつもニコニコして話してくれていた。
、、、あれ?
でも、苺、、、笑ってたけど、苦笑いだったような、、、それって、"偽りの笑み"だったって事なの?

「、、、っ!」

私は走って逃げ出した。
そして、あそこに向かった。

「田島さんっ!あのっ!」

私が向かったのはプロデューサーの田島さんの部屋。
きっと、田島さんなら分かってくれると、思ったからだ。

「どうした、美玖ちゃん?」
「私、みんなに嫌われてたみたいでっ!消えろって言われたんですっ!私っどうしたら良いんでしょうかっ!」

その言葉に、田島さんは思わず、くすっと笑った様に見えた。

(え?今、田島さん、笑った、、、?)

田島さんは笑いをこらえると、私にニコッと"偽りの笑み"を浮かべ、言った。

「僕が、苺ちゃんと千夏ちゃんを叱っておくよ。」

と苦笑いで。
私はさらにどん底に突き落とされた。
田島さんは、私の事を唯一分かってくれる人だと思っていたのに。

「何で、、、その二人だって事、知ってるんですか、、、?」

私は、少しずつ前へ進む。
私の言葉に震える田島さんが、可哀想だなんて、思いもしなかった。
だって、いじめてるのはそっちでしょう?
私は、近づいていく。
少しずつ、少しずつ、少しずつ。
そして、田島さんの襟元を掴んだ。

「失礼します。」
(誰か来る、、、誤解される、、、)

扉が開いた。
扉を開けたのは、『★HAMARU★』の金宮 奏だった。
私は、絶望した。
あの『★HAMARU★』の金宮くんに、こんな場面を見られたら。

「金宮くんっ!助けてくれっ!」

田島さんは焦ったように金宮くんに助けを求めた。
金宮くんはきっと、田島さんを助けるだろう。
私には酷い扱いをするんだろう。

「無理です。」
(、、、え?)

あっさり断る金宮くん。
それに田島さんが目玉が飛び出そうな程、目を丸くした。

「なっ何故だっ!?」
「どうせ、プロデューサーがなんかしたんでしょ?自業自得だし。」

金宮くんがそう言いながら、呑気に私と田島さんの方に歩いてくる。
そして、田島さんのデスクの前に来ると、大きな音を立てて、デスクに手をつけた。

「てか、美玖さん、泣いてますよ?女の子を泣かせるなんて、情けない人ですね。」

そう言う、金宮くんが、ファンにも人気な事が納得出来た。
私が苺に勝てない理由が分かった。

「美玖さん、行きましょう。」

そう言って、クールな金宮くんに一瞬にして、惚れてしまいそうだ。
金宮くんは、私の手を自然と繋ぐ。

(えぇ、、、心臓止まれっ金宮くんに聞こえちゃうじゃんっ!)

田島さんの部屋を出ると、私は、金宮くんの手を離し、頭を下げた。

「あっありがとうございました、、、その、、、何かお礼を、、、」

と、顔を紅く染めながら、言った。
金宮くんは、少し驚いているようにも見えるが、直ぐに表情を変え、私に微笑みかけた。

「いらないよ、美玖さんに迷惑はかけたくないからね。」
「で、でも、、、」

そう言って、金宮くんはその場を後にしようとする。
私は、大きいお辞儀をした。

「ありがとうございましたぁっ!」

そう大声で叫ぶと、金宮くんが振り返り、くすっと笑うと、言った。

「どういたしましてぇっ!」

その笑みは、"偽り"なんかじゃない。

爆走メトロノーム!#2『夢』 ( No.2 )
日時: 2025/03/26 20:35
名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)

眠れない夜。
今日のあの出来事は、一生頭から離れないであろう。
あの『★HAMARU★』の金宮くんと手を繋いだなんて、世に知られたら、、、

(また金宮くんに会いたいなぁ、、、今からでも良いから、会いたいなぁ、、、)

私はどうやら金宮くんの事が、好きになってしまったらしい。
単純すぎて笑っちゃうかもしれないけど、あの優しさは、惚れない方がおかしい。
しかもあの顔で、あんなに優しくされたら、惚れるに決まってる!

(あぁ、忘れたいのに、忘れられないよぉ!)

翌日。
私は、田島プロデューサーに呼び出され、田島さんの部屋に来ていた。
田島さんの姿はない。
だが、田島さんのデスクには、紙が置いてある。

(『ドラマ、「山田くんは私の好きな人。」計画書』?)

勝手に見てはいけない事は、分かっている。
だが、どうしても、どうしても、、、見たくてたまらなくなってしまったから。
表紙をめくると、『出演者等』と書かれている事が分かり、そこを見ようとした時。

「待たせてすまなかった、、、あぁ、もう見てしまったか、、、」

そう言って、田島さんが部屋に入って来た。

(これって、私に見せるつもりだった?)

私は、そのまま読み進める。
すると、『出演者等』に、『紅曽根 美玖』の名があった。
それと、、、『金宮 奏』の名も。

「金宮くんを呼んでいる筈だが、、、まだ来ていないのか、、、」
「、、、はい、来てないみたいです。」

まさか、金宮くんと共演出来るなんて、お喋りでさえ夢だったのに。
共演なんて、夢のまた夢だったのに。
まさか、叶ってしまうなんて。

ガチャ

「遅れてすいません、、、あ、美玖さん、おはようございます。」
「おはよう、ございます、、、」

急に部屋に入って来た金宮くん。
驚き、と言うより、ドキドキの方が強かった。
だって、、、好きな人だもん。

「金宮くん、嬉しい知らせだよ、、、ラブコメのドラマの主演は、金宮くんだよ、、、そして、ヒロインは美玖ちゃんがやってくれるよ、、、」

昨日の事があったからか、気まずい感じで言ってくる田島さん。

「『キスシーンだけは、完璧にしたい』との事だが、、、」
(え、キ、、、え?私と、金宮くんが、、、きすぅ!?)

驚きが隠せない私。
いきなり好きな人とキスとか、流石に夢のまた夢のまた夢だったのに。

「キス、、、俺、キスするの初めてなんですけど、、、」
「人生でですか、、、?」
「、、、そうです、、、」

私の質問に動揺する金宮くん。
とは言っても、私もキスするの初めてだ。

「わ、私も初めてです、、、キスってどうやってするんでしょうか、、、?」
「分かんないです、、、」

私は、金宮くんがキス未経験という事に、驚きが隠せなかった。
金宮くんはきっとモテるから、キスなんて日常でよくしてるんじゃないかと思っていたけど、そうじゃなかったらしい。

「まぁ、詳細は計画書を見てくれ、、、」

と言って、田島さんは、部屋を出ていった。
私は、意識し過ぎて、金宮くんの方を見ることが出来ない。

「芸能界って、、、難しいんですね、、、」
「みたいですね、、、」

そんな会話しか出来ず。
私は、その場の雰囲気に耐えられなくなり、部屋を出ようとした。
その時、金宮くんに腕を掴まれて、思わず身体をビクッとさせてしまう。

「待って下さい、、、」

耳まで紅く染める金宮くん。
可愛いとしか言えない程、可愛い。
私は、戻り、ドアを閉める。

「、、、どうしたんですか、、、?」
「あの、、、美玖さんとキスなんて、夢のまた夢だったんで、、、心臓が、、、」

金宮くんは、私と手を繋いできた。
そこから、金宮くんの心音が伝わってきて、私までドキドキしてきた。

(金宮くん、好きです、、、)

思わず、心の中で告ってしまう私。
ドキドキしてしまう私。

「大丈夫ですか、、、?横になります?」

私は、金宮くんを、床に寝かせると痛いので、自分の膝の上に寝かせてあげた。
金宮くんは、目をつむって、リラックスしている。

「ありがとうございます、、、」
「いえ、昨日助けて頂きましたし、、、」

私は、少し顔を紅くしながら言った。
金宮くんを見ると、白く透き通った肌。
綺麗な汗。
サラサラな薄茶色の髪。
全てが私に勝っている気がした。

「少し、落ち着きました、、、僕はもう帰りますので、、、」

そう言って、フラフラ歩く金宮くん。
昨日のクールでカッコいい金宮くんとは真逆の一面を見てしまった。
今夜も、眠れなくなってしまう事だろう。

「あの、、、また今度。」

私がフラフラ歩く金宮くんに、そう言った。
すると、金宮くんはニコッと笑う。
まるで、昨日の金宮くんみたいに。

「はい!」

その笑みは、さっきまでの金宮くんとは正反対の笑顔だった。
私は、つい目をそらしてしまう。
そして、金宮くんは不思議そうに首をかしげた。

「いや、、、でした?」
「いっいいえっ!違いますっ!」

金宮くんは、「ふぅ」と、安心のため息をついた。
私は、金宮くんにこんな提案をした。

「やっぱり、キスシーンの練習、しませんか?」
「え?」
(こんな急に言ったら、引かれちゃうかな、、、?)

金宮くんは、少し顔を紅くした。
でも、直ぐに笑顔になり、「良いですよ」って言ってくれた。

「何処かバレないところでしましょう。」
「、、、あれ?」

さっきまで、あんなに顔を紅くしていたのに、クールになっている。
まぁ、そんな事は気にせず、金宮くんの背中を追う。

「こことか、どうですか?」

連れてこられたところは、物置きだった。
人がいる気配もなく、真っ暗だ。
実際、私は物置きに入った事は一度もなく、中がどんな感じなのかは知らなかった。

「キス、俺からしなきゃいけないんですけど、どうやれば良いんですかね?」
「分かんない、、、とにかく、ぽくやってみれば、良いんじゃないですか?」
「ぽくが分からないんですよ。」

そんな変な会話をしつつ、会話が終わると、金宮くんがゆっくり唇を近づける。
私はそれに備えて、目を閉じる。
そして、もうすぐ、キスをする、、、というところで、、、

パシャ

「う〜わ、めっちゃいい柄撮れたぁ!」

スマホで写真を撮った音と、"奴"の声が聞こえ、そちらの方を見る。
"奴"とは、小宮山 苺の事だ。

「拡散、しちゃおっかなぁ〜?」

苺の目の、黒い光が、キラリと光った。

爆走メトロノーム!#3『伝説』 ( No.3 )
日時: 2025/03/26 20:37
名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)

「本当にありがとうございました、、、沙也加さん。」

私は、カフェで、前の席に座る沙也加さんに、頭を下げた。
沙也加さんは、私の憧れである。

「いえいえ、私は当たり前の事をしただけですから。」

沙也加さんはそう言うけれど、私にとっては当たり前じゃないのだ。
沙也加さんは『伝説』だから、周りの人が沙也加さんの事を従う。
みんなそうだ。
別に、間違いだって事はないけれど、もうちょっと自分の意見を尊重したい。
沙也加さんみたいになる為に。
沙也加さんみたいになる為には、人に頼ってばっかじゃ駄目なんだ。
私は絶対に、沙也加さんみたいな、『伝説のアイドル』になってみせる。
そして、メンバーの皆を、見返させてやるんだ。

「とは言っても、私も一回だけ、同じ様なミスをしていたわねぇ、、、」

沙也加さんは上を見上げた。
そして時間を巻き戻す事、二日前。
私と金宮くんがキスをしようとしていたのを、メンバーの苺に撮られてしまう。

「拡散しちゃお〜♪」
「辞めてっ!そんなの拡散したら、私だけじゃなくて金宮くんまで炎上しちゃうからっ!」

苺はニコッと笑う。
その笑顔は、優しさじゃなく、悪魔の笑みであった。

「良いじゃん、面白そうじゃん?さぁ!等々美玖の人生も終わり♪『METORO♪NOMU』のセンターはぁ、この私!」

苺は、またも私に悪魔の笑みを漏らす。
そして、SNSで、写真を投稿しようとする。
その時。

「あっちょっ!取らないでよっ!って、、、沙也加さん、、、?こっこれは違くてっ!」

苺からスマホを奪ったのは、『伝説のアイドル』花道 沙也加だった。
苺は、焦ってその画面を沙也加さんに見せないよう、手で隠そうとする。

「何が違うのかしら?この写真、投稿するつもりだったの?ていうか、知らないの?あの二人、ドラマで共演が決まったのよ?しかも、『キスシーン』があるんですって?きっとそれの練習だわ。」

沙也加さんは、苺にその画面を見せつけた。
苺は焦って、「すいませんでした!」と言って、逃げていった。

「あの写真は、消去しといたわ、、、、安心しなさい。」

私は、生の沙也加さんを見たのに驚いていたが、気持ちを切り替え、「ありがとうございます」と言った。

「あと、キスをするなら事務所じゃなくて、もっと安全な所を探した方が良いわ。」

金宮くんが、「はい」と頷く。
そして、沙也加さんが去って行ってしまう。
私は、その沙也加さんの背中を見て、心の中でこう意気込んだ。

(絶対に沙也加さんみたいな『伝説のアイドル』になってみせる!)

そして、それから二日後、カフェでばったり会い、今に至る。

「きっとあなたも売れるわ、、、いや、、、私よりも売れるわ、、、」

沙也加さんの言葉に、私は頭を下げる。
沙也加さんは、『伝説のアイドル』と呼ばれる程の超凄い人。
そんな人に、こんな事言ってもらえるなんて、ありがたかったからだ。

「私、明日からドラマの撮影が始まるんですけど、沙也加さんみたいな演技、出来るように頑張ります。」
「あら、頑張って。」

そして、次の日。
私はドラマの撮影で、とある学校に来ていた。
まだ使われてる学校なので、JKなどがウロウロしていた。

「君は、、、確か、、、」
「松本 小雪です、以前山田さんに助けて頂いたんです、それのお礼が言いたくて。」
「、、、ううん、美玖ちゃん、もうちょっと感情的な演技出来ないの?」

何度撮影しても、やり直しばかり。
このままで良いのだろうか。
これじゃ、最悪のドラマになってしまう。

「美玖さん、良い案がありますよ。」
「え?なに、金宮くん?」

休憩中、私がため息をついていると、金宮くんがそう言って寄ってきた。
そして、私の頬に、触ってきた。

「へっ!?なになにっ金宮くんっ!?」

そして、金宮は、私の頬を優しくなでた。
さらに、優しく言った。

「そんなの簡単です、、、僕の事、好きになっちゃえば良いんですよ。」
「、、、えぇ〜!?」

金宮くんが何を言いたいのか、全く分からない。
監督が求めているのは、恋をした時の感情的な演技。

「そうすれば、きっと、、、良い演技が出来る筈です。」

そう、金宮くんが言いたいのは、実際に恋愛感情を持てば、恋をしている演技を上手く出来る筈だと言う事。

(でも、もう金宮くんの事、好きになっちゃってるんだけどなぁ、、、)

私は、金宮くんへの想いを、頭の中で沢山考え、それを演技にする。
すると、、、

「、、、松本 小雪です、、、以前、山田さんに助けて頂いたんです、、、それの、、、お礼が言いたくて、、、」
「おぉっ!美玖ちゃん!良くなったよ!」

それから、三回程でOKテイクが撮れた。
金宮くんの事を、想い浮かべる。
そうすれば、きっと、、、きっと、良い演技が出来るんだと、私は知った。

「あれ?手紙?『紅曽根 美玖さんへ』?」

家に帰り、ポストを開ける。
すると、知らない人からの、手紙が届いていた。

『紅曽根 美玖さんへ
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!
私の金宮くんを取るなんて!
私の愛しの金宮くんを取りやがって!
あんたなんか、生きてなきゃ良かったのに!
死んでいれば良かったのに!
金宮くんを返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ!』

「何、、、これ、、、?」

嫌がらせの手紙だ。
きっと、金宮くんのファンからだろう。
私、なんかしたっけ?

「は?」

苺のSNS。
私と金宮くんのキス直前の投稿された写真。
消去されたはずの写真。
何故、投稿されているのか。
私は自然と、ポストの奥を覗き込んだ。

「、、、っ!」

そこにあったのは、金宮くんのファンからであろう、沢山の手紙だった。
切手が付いていない。
家を特定されている。

『美玖の住所−−−−−−−−−−−』

苺のSNSに、私の住所が公表されていた。
数々の手紙は、全てぐしゃぐしゃで、『許さない』や、『死ね』の言葉が書かれていた。

「そ、、、そんな、、、」

私の人生は、、、
ここで、終わりなの、、、?

爆走メトロノーム!#4『出会えたから』 ( No.4 )
日時: 2025/04/05 08:39
名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)

「もう、、、いや、、、」

寝ている間も、仕事中も、いろんな時に、スマホはピロピロなっている。
でも知っている人からじゃない。
きっと金宮くんのファンだ。

「いやぁぁぁぁぁぁあっ!」

ピピピピッ
朝のアラームが鳴り響く。
窓から優しい光が差し込んでいる。
昨日の着信音も、止んでいた。
私は少し安心して、アラームを止める。
その時。

ピロンッ

急の着信音で、私は耳を塞ぐ事が出来ない。
ずっと、鳴り響くその音に、心臓がバクバクうるさいくらいに鳴っている。

(あれ?、、、金宮、、、くん?)

着信画面には、『So.Kanamiya』と表示されている。
恐る恐る、スマホ画面に指を近づける。
通話ボタンを押すと、いきなり金宮くんの声が聞こえ、ついびっくりしてしまう。

『美玖さんっ!やっと繋がった!心配してたんですよっ!』
「金宮くん、、、なの?」
『そうですけど、、、大丈夫ですか?苺さんのSNS見させて貰ったんですけど、、、完全に炎上になっちゃいますよ。』

スマホからは、風の音が入り込んでいるので、外にいるんだろう。
でも、あまりにも風の音が強いので、走っているのかもしれない。

『あ、着きました、、、開けて下さい。』
「、、、え?」

私は、通話を切ると、家の玄関に向かい、扉を開ける。
すると、スマホを片手に持っている金宮くんの姿があった。
金宮くんは、走ってきたのか、息が切れていた。

「心配したんですからね、美玖さん、、、もうこんな時間ですよ?」
「、、、今、何時ですか?」

私は、勢いで問いかけてみる。
スマホは直ぐ手にあると言うのに。

「八時です。」
「、、、え?」

八時なんて大遅刻だ。
本当は、六時三十分には着いてなきゃいけなかったのに。

「ごめんなさい!寝坊してしまって!」
「あの、、、もしかして、なんかありました、、、?」

金宮くんは、俯く私の顔を覗き込んだ。
目が合ったけれど、そらしてしまう。

「いや、、、別に、、、何も、、、」
「あの手紙、何ですか?」
「え?」

金宮くんは、部屋の奥を指差した。
指差した先は、私の机の上に広がった、大量の手紙だった。

「えっと、、、あれは、、、」
「失礼します。」

金宮くんは、家に上がってくる。
そして、大量の手紙を読み始めた。
私は、焦って止める。
でも、金宮くんは力が強いみたいで、引っ張ってもビクともしない。

「これ、嫌がらせですか?」
「、、、はい、、、」

勝てないと分かった私は、金宮くんに正直に話すことにした。

「昨日、嫌がらせの着信で、寝れなくて、、、そしたら、遅刻しちゃって、、、」

金宮くんをチラッと見るけど、こちらを心配している様子はない。
手紙をただただ見ているだけ。

「全部、金宮くんのファンから届いてて、、、」
「、、、」

金宮くんはずっと無言だ。

「金宮くんが来てくれて、、、凄い嬉しいんです、、、その、、、」
「、、、」

私はいい加減な気持ちになり、つい大きな声で叫んでしまう。

「無視しないでよっ!」
「っ!」

金宮くんがびっくりして、振り返る。
目を丸くして、俯く私を見つめている。
私は、上を向くことが出来ない。

「私、ずっと、、、ずっと、、、怖かったんですよ、、、あの夜、沢山、、、金宮くんの名前、呼んだんですよ、、、助けて欲しくて、、、ずっと、、、呼んでたんですよ、、、」

金宮くんは、何も口出しせず、静かに私の話を聞いてくれた。

「なのに、、、誰も助けてくれなくて、、、やっと寝れたと思ったら、、、嫌な夢を見て、、、起きちゃって、、、私の人生も、、、ついに終わりなんだなって、、、気づいちゃって、、、つらっ」

金宮くんが、私に抱きついてくる。
逃げ出すことが出来ない。
でも、優しい力で、抱きしめてくれる。

「ごめん!僕には、どうにも出来ない事かもしれない!でも!出来る限りの事はさせて!」

敬語を辞めた金宮くん。

「ここだから言える事、言って良い?」

私は、コクって頷いた。
私は、息を呑むと、金宮くんのその言葉を、真剣に待ち構えた。

「わっ」

金宮くんは、私の唇に、優しいキスをかました。
そして、離れると、言った。

「美玖、好きだ。」

金宮くんのその言葉に、大きな声と共に、涙を、流した。
そして、「私も」と泣きながら言った。

「遅刻してしまい、申し訳ございませんでした!」

私は、監督の前で、深くお辞儀をした。
監督は「良いよ、良いよ」って、許してくれたけれど、私は納得しなかった。
だって、まだ一流のアイドルには程遠いと分かっていたから。

「今日は、ありがとうございました。」
「もう、敬語やめようよ、、、金宮くんじゃなくて、奏って呼んで?美玖。」
「うん、、、奏。」

私と奏は、秘密でお付き合いをする事になった。

「今日とか、色々迷惑かけちゃって、、、ごめんね、、、」
「全然、、、何なら、美玖に出会えたから、人生が豊かになったし。」

『出会えたから』。
それはまるで、魔法の言葉。
そして、今日は、私にとって、人生で一番幸せな日だった。

「私も、、、奏に出会えたから、人生が嫌じゃなくなったよ。」
「そっか、、、良かった。」

奏は、私に優しい笑みを浮かべた。
私は、恥ずかしくなって、目をそらす。
すると、奏が「照れてる〜!」とイジってくれるから、、、
私が生きてて良いって、思えたから。
これから先も、奏と一緒に、人生を歩んで行きたい。
そして、奏と一生想い合っていたい。
流石に死んでしまったら無理だけど、死ぬまで想っていたい。
それが、今の私の願いの一つ。

二つ目は、『世界一のアイドル』になる事!
それを叶える為に、奏と一緒に、まるでメトロノームの様なリズム感で、爆走する!

それが、私の世界一のアイドルへの花道!

さぁ進め!
いや、進まなくてはならない!
その花道を!
そして、夢を、願いを、叶えるのだ!

「私、世界一のアイドルになってみせる!なれたら、私と『結婚』して!」

奏は、一瞬驚いていたけれど、直ぐに表情を変え、微笑みかけた。

「うん!」

爆走メトロノーム!#5『重愛』 ( No.5 )
日時: 2025/04/03 08:49
名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)

「みんな〜!『METORO♪NOMU』のライブに来てくれて、ありがと〜!これから、私達の新曲『初恋スマッシュ』を歌います!それでは聴いてください!『初恋スマッシュ』!」

今日は、『METORO♪NOMU』の、結成三周年を記念したライブの日。

「私達、『METORO♪NOMU』が、ここまで来れたのは、ファンの皆さんのお陰です!」

そんな言葉を自然と発する苺。
私は、『ファン』が怖い。
ファンは、自分の要望が強いと、その要望を邪魔する人に嫌がらせをする。
だから、私は自ら『METORO♪NOMU』のセンターを苺に譲ったのだ。

(私のファンの方々へ!勝手にセンター辞めちゃってごめんなさい!でもこれも、世界一のアイドルへの花道なんです!)

私は、苺が人気の理由を、しっかり見させて貰うことにした。
センターは、大抵は真ん中にいて、前にいる事が多い。
つまり、後ろに振り返らない限り、苺の姿は見えないわけだ。

「えっと、、、私は、元センターだったんですけど、、、ここから、世界一のアイドル、目指します!だから皆さん、待っていて下さい!私が世界一になるのを!」

私は、一人一人のコメントで、思い切って言ってみた。
その時、一気に会場が明るくなり、私の心まで明るくなった。
一方、奏は、、、

「うわっ!いったっ!何すんですかっ!?」
「金宮くん、リアクションいいね!」

ある人気番組。
金宮 奏は、ドッキリをかけられていた。

「え~と、ライブ中の『METORO♪NOMU』の皆さんと、中継が繋がっています!」

実は、そのドッキリ。
ライブ中の会場の中で行われていた。

「金宮さんは、『METORO♪NOMU』で仲がいい人がいたりしますか?」
「あ~、いますよ。」

アナウンサーの質問に、奏が素直に答える。
きっと、自分を呼んでくれる。
そう、信じて聞くのだ。

「、、、苺とか。」
(え?)

私は、奏の恋人。
の筈だった。

「何で?私の名前、呼んでくれなかったの?」
「え?」

私は、帰り道。
一緒に帰ると奏と約束していたので、約束の場所に向かい、着くと、直ぐに問いかけた。

「秘密にするんじゃなかったの?」
「あ。」

どうやら私の勘違いだったようだ。
でも流石に、仲がいい事ぐらい、秘密にしなくたって良いんだけど。

ある日の事だ。
私は事務所で、『★HAMARU★』の川南 裕翔くんとばったり会った。

「もしかして、美玖さん、ですか?」
「あ、はい、、、」

川南くんは、直ぐに明るい顔になる。
私に会いたかったんだろうか。
川南くんは、私の肩を掴んできた。

「今から、話せませんか!?」
「、、、えっいっ良いですけど、、、」

私は、川南くんの後を追う。
向かった先も分からないまま。
そして、着いたのは、高級そうなホテルの様な場所だった。

「え?ここって、ラブホですか?待って下さい!見つかったら炎上ですよ!?」
「大丈夫です、、、その為に変装して来たんですから、、、ていうか、ここはラブホなんかじゃないですよ。」

話って何だろうか。
着いた部屋も、ホテルの中で一番高級なスウィートルーム。
そして、部屋に入った瞬間に、川南くんに押され、ベットの上に乗る。
そして、無理やりキスをさせられた。

「辞めて下さいっ!好きな人っいますからっ!」
「それってさ、奏の事だよね?」
「え?」

そして無理やり身体を触られる。
そんな事がしばらく続き、私は、目の中を真っ黒にした。

「何で、、、こんな事、、、」
「そんなの、決まってるじゃないですか。」

川南くんは、ニヤッと笑う。
まるで、悪魔の笑みのような。

「美玖さんが好きだからですよ。」

私はロープで手首や足首を縛られ、口もガムテープを貼られてしまった。
ほとんど身動きが取れない状態の中、川南くんは、仕事があるからと、出ていってしまった。
その後、私は頑張って、スマホを取り、『So.Kanamiya』に、『助けて』、『川南くんに監禁されてる』と送信した。
そして、その場写真を撮り、それも送信した。
バレないように、元の位置にスマホを置く。
これできっと、奏が助けてくれる。

「裕翔!美玖知らない?」
「ん?知らないけど。」

俺は、『♪MIKU♪』からのメールに気づき、知らない振りをして、裕翔に話しかけてみる。
もちろん裕翔は知らないと言う。

「そっか、ありがと。」

一体何処に行ってしまったのか。
そういえば、田島さんが『美玖ちゃんがいなくて困ってる』って言ってたし。

(あの写真からして、ラブホか?)

送られた画像から、ググってみた。
でも、そこが何処なのかは分からない。

(でも、もしそこがラブホだったら、裕翔が出かけてる間にバレる筈だから違う、、、)

裕翔が美玖を監禁してもバレない所、、、
そこは、きっと『家』だろう。
確か、裕翔の家金持ちだったから、豪邸に住んでいるに違いない。
俺は、裕翔の仕事が終わるのを待ち構え、こう誘ってみた。

「裕翔の家行きたいんだけどさ、いい?」

俺は、裕翔が不思議そうにしているのは気にせず、案内してもらった。
家は、まさに豪邸だった。
ホテルかと間違える程の豪邸だった。
裕翔が部屋を案内してくれていると、鍵がかけてある部屋を見つけた。

「俺、ここの部屋にするわ。」
「そこは、、、ていうか泊まるつもり?」

そう言って、話をそらしてくる。
そして、そこの鍵を無理やりこじ開ける。
裕翔がびっくりしていた。
その部屋に入って見ると、ベットの上に横たわる美玖の姿があった。

「美玖、、、?」

美玖は、目を黒く染めていた。
まるで、闇落ちしたかのように。

「お前、、、美玖になんて事を、、、」
「まぁまぁ、、、落ち着きなよ。」

それでも冷静な裕翔を許せなくなり、俺は手を出してしまう。
そして、拳は裕翔の顔面にくらった。

「何故っこんな事したっ!履け!」
「それはっ!」

裕翔は、俺の襟元を掴んだ。
そして、ニヤリと笑う。
さらに、目をキラリと光らせた。

まるで、『重愛の悪魔』だ。


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