コメディ・ライト小説(新)
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- 陽菜の冬 第一話
- 日時: 2025/05/26 07:00
- 名前: 千佐田うらら (ID: 1AyWh4oQ)
「ひま。」
冬の美しく冷たい日差しが、一人の少女を照らし出していた。
彼女の身長、声の大きさからして、小学生だろう。
ととのった顔立ち、すらっとした体形。いわゆる美形ってやつだ。
「ひま。」
そんな彼女でもこんなことを言うのか。顔のイメージからっでは全く想像できない言葉だ。
それに先ほど先生が言った一言。あれが原因だろう。
あ、言い忘れていました。すいませんね、読者の皆さん。僕の名前は寺道伊織。
さっきから言っている「美形の人」は、竜南陽菜。珍しい名前ですよね。
ちなみにさっきの「彼女の身長、声の大きさからして小学生だろう」っていうのは、なんか小説っぽくしたくてつけただけで、気にしないでください、、、
さて、本題に戻ろうか。
さっき先生が言った一言というのは、
「陽菜ちゃん。あんた伊織はんと組んでくれん?グループの話や、明日一緒に放送の。わからん?」
確かこんなことを言って、僕と陽菜を組ませた。
明日の放送というのは、昨日やった全校ドッチボール大会の結果発表のことだ。
うちの学校では、毎年冬休み明けにドッチボール大会をやっている。これは半分自慢になるけど、僕が所属している「背が小さいちびっこチーム!」(僕は悪口に聞こえる)は、毎年このドッチボール大会で優勝している。
そして今年は僕たち6年生にとって最後のドッチボール大会だった。
僕が活躍したとかそういうわけではないが、一応今回も優勝したと思う。
僕が放送はするんだけれども、結果を聞いたわけではないから、よくわかっていない。
そして隣にいる陽菜もきっとそうだ。(話が結構ずれてしまったけど、何とか陽菜のことに戻せた。)
陽菜とは同じ6年生だが、僕は陽菜と一言も言葉を交わしたことがない。
けれども明日、一緒に放送することになったからには、一言ぐらい話しかけるか。
一応コミュ力だって少しはあるし、「よろしく」くらいは言えるだろう
と思い、
「よろしく、陽菜さん」
「ああ、」
と少し言葉を交わす位のことをする。
けれども「ああ」だけだなんて、なんだか悲しいような、それでよかったような、まあいいか。
こうして、僕、寺道伊織と竜南陽菜の日常が始まった。
- Re: 陽菜の冬 第二話 ( No.1 )
- 日時: 2025/05/28 06:44
- 名前: 千佐田うらら (ID: 1AyWh4oQ)
~20分後~
「はあ」
思わずため息をついてしまった。こんなことになるとは...
それはたった1,2分前のことだった。あの先生の言った言葉のせいで、僕も陽菜もため息をつくしかなくなってしまった。
「陽菜ちゃん、あと伊織はんもそうやったね、ドッチボールの結果まとめんの、やってくれへん?」
という一言で。
普通、ドッチボール大会の結果をまとめるのは、児童会がやる仕事だった。
それも児童会長が中心となって。
僕と陽菜たちは放送委員会で、「ドッチボールの結果を放送するだけ」だったのに。
なぜ僕たちがやるんだ?「手伝う」だけならまだいい。だが、「やる」だなんて。
「はあ」
もう一度ため息をつき、鉛筆をとる。
陽菜が
「...でかでかの外野14人」
といい、ドッチボールの結果をまとめる紙の「背が大きいでかでかチーム!の外野」欄に14と書いた。僕は背が小さいちびっこチーム!の外野の数を数える。1,2,3,4,5,6.
「ちびっこの外野6...」
と言い、紙に数を書く。なんでこんなことをするんだ....
うちの学校はドッチボール中に動画を撮り、その動画の中から
外野の数、ボールを当てた数を数える。
外野の数はまだいいが、ボールを当てた数を数えるなんて、「面倒くさい」という以外何があるんだ。
「...ボール当てたのどうやってかぞえる?」
「えっ、ああ、どうする?」
「......」「......」
やばい、僕も陽菜も黙ってしまった。なにか、何か言わなくては、ええ、
「あ、あの、じゃあ半分は僕が数える、よ?」
「ぷっ」
え?笑われた?陽菜が?笑った?
「...半分ってどれくらいかわからないじゃん...」
「あ、そうだね。ごめん」
「いや、別にいいけど、」
「そっか、」
なんだか僕と陽菜の距離が近まった気がした。....きのせいかな。
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