コメディ・ライト小説(新)
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- 太陽が沈んだ先に。
- 日時: 2025/05/30 17:38
- 名前: ゆーとぴあ。 (ID: y4uzOL0F)
こんにちは。小説を最近書き始めました、ゆーとぴあ。と申します。
暗い一面を持った人が明るくなるまでの過程が本当に好きです。
ライトな小説を期待してくださった方には申し訳ないですが、
最初はおそらく暗いと思います。(がんばれ自分)
楽しんでいただけると幸いです。
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違う。
違う。こうじゃない。
違う…!
嗚呼、私の夢はかなわないんだろうか。
繰り返し、繰り返し、何度も何度も何度も…
あと一歩。あと一歩なのに。
私の求めている「一枚」には、きっと、届かない。
「はあ…」
「どしたの綾香。まーた、落ち込みムード?」
「まあ、ね…」
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私は幼いころから絵が大好きで、ずっと描き続けてきた。
小学校ではみんなから上手い上手いと褒め称えられていた。
だからだろうか、私は自分の実力を高く見積もりすぎていたのだ。
中学では当たり前のように美術部に入った。
自分の才能を見せてやろう。
そう思っていた。
しかし…
「_______嘘。」
中学に入って初めて参加した絵画コンクール。
結果は
____________圏外だった。
「嘘、嘘、そんなはずない。だって…」
私は、上手いはずだから。
きっと何かの間違いだろう。
そう思って、金賞の作品を見に行った。
「…え、」
その作品を見た瞬間、私は全てを理解したような気がした。
植物のみずみずしさ、緑の美しさ。
太陽の光が当たって、きらきらと輝く風景。
公園とはこんなに綺麗なものだったのか。
…悔しいけれど、まるで私の絵とは違っていた。
何もかも、自分のうぬぼれだった。
自分がうまいと信じ込んで、周りの作品を全く見なかった。
”私には、才能がない。”
私は生まれてはじめて、自分の実力と向き合わされたような気がした。
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「…だったっけ?ほんと、メンタル弱いね。」
「そんなこと言わないでよ。一応へこんでるの。」
あれ以来、私はコンクールに参加できずにいた。
怖かった。これ以上自分と向き合わされるのが。
絵は一応続けているけれど、下書きより後に進むことができなかった。
色を乗せたら、きっと作品は完成する。けれど。
…完成したものが、もし下手だったら?馬鹿にされたら?
その恐怖に、私はまともに絵がかけずにいた。
「…仕方ないな。…ついてきな」
同じ美術部で友人の波留がそう言って私の手をつかむ。
「…え、どこに?」
私の質問に答えようともせずに彼女は歩き出す。
「ちょ、ちょっと?」
→続く。