コメディ・ライト小説(新)

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マイボイス
日時: 2025/10/20 01:40
名前: かろん (ID: rk8mdQwZ)

こんにちは!かろんです。初の投稿で、おかしな部分もあると思いますが、よろしくお願いします!
すいません。更新するまで、ロックさせていただきます。すいません!

父は俳優。母も女優。
演技に囲まれた日々から抜け出したい私は、今日もひそかに歌う。

Re: マイボイス ( No.1 )
日時: 2025/10/20 01:29
名前: かろん (ID: rk8mdQwZ)

第一章

「はーい。安藤さん、入られまーす。」

嫌なんだよなー、こういう現場入りの仕方。
私は、今日もドラマの撮影をしている。

私は、安藤 椿(あんどう つばき)。15歳、高一だ。
父は俳優、母は女優。何ともすごい環境で育ったと、私も感じている。
その影響もあり、小3で子役デビューを果たし、数々の役をこなしてきた。

でも、私は演技をどうにも好きになれなかった。
演技は自分で表現するものだけど、所詮は操り人形みたいに台本にそってみんなが思う通りに演技してるだけ。
自分を隠しているみたいで、気にくわない。

しかし、私が演技を嫌いになった最大の理由は、

「あっ、あの子でしょ?高橋 依澄(たかはし いずみ)と安藤 昂(あんどう のぼる)の娘って。」
「2人とも演技がうまいけど、娘さんの方はどうなんだろうね?」」
「娘だからって、演技が上手くなるわけでもないだろうしねー。」

囁き声が聞こえる。これだ。
私を演技の上手い父と母の娘だとしか見ていないところだ。
どの現場に行っても、そうだった。
共演した芸能人も、スタッフも監督も。
みんな、私自身を見てくれない。
そう気づいてから、この仕事が嫌いになった。

「じゃあ、それでは撮影始めまーす。」
私は、別に女優になりたいわけじゃないのに。

Re: マイボイス ( No.2 )
日時: 2025/10/20 18:21
名前: かろん (ID: rk8mdQwZ)

第二章

ボフッ。

「はあーーー、疲れた。」

私は、ドラマの撮影が終わり家に帰ってきていた。
何とも言えないこのダラダラする時間が、最高だ。
そして、私には演技よりも遥かに好きなことがある。
それは、

「「ヒカウタ! 〜自分の夢を叶えよう 音楽投稿アプリ〜」」

そう、歌だ。ヒカウタ!というアプリを使って「ツバキ」として活動している。
演技なんかより、自分を表現できて居心地が良い。
今は新曲を作っているところだ。
しかし、私が「ツバキ」だということは誰にも、親にも絶対にバレてはいけない。
ただでさえ、撮影現場で囁かれているというのに、拡散されてネットでも囁かれるようになっては最悪だ。

「わあー、登録者数1万超えてる!!やった!」

やはり見てくれる人が増えるのは、なかなかに嬉しいものだ。

「ここは、キーを上げて…、ハモリも追加するか。うんうん、いい感じになってきた!」
「椿ー、ご飯できたから降りておいでー!」
「あ…、えっっと、はーい!!」

階段を下って、リビングへ行く。
ちぇっ。いいとこだったのに。

「ごめんねー、今日大きい撮影があって時間なくて、焼きそばしか作れてないのー。」

やはり、売れっ子女優だ。朝から晩まで、テレビに出ている。
今回は、鈴木 辰信(すずき たつのぶ)監督の映画に出るらしい。
私の一番好きな監督さんだ。
自分の世界観を上手く表現していて、毎回素晴らしい作品を手がける。
今年は特に盛り上がっていて、新作のドラマを出すとの噂もある。
実に楽しみだ…!

母が作ってくれた焼きそばを、口に運ぶ。
父はまだ仕事らしい。
母が料理する時にテレビをつけていいて、そのCMには父が映っていた。
ここ最近、父と話していない。
帰ってきたら、演技の稽古をつけてもらおう。

プルル プルル。
私の携帯が鳴る。
マネージャーさんだった。

「はい?もしもし。どうされましたか?」
「椿さん、聞いてください!!!ビッグニュースです!!」
「は、はい。」
「鈴木 辰信監督が今度制作するといわれていたドラマの主人公の役を椿さん、あなたにしてほしいと願い出ています!!!」

「ええええええーー!?」


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