ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: あかりのオユウギ弐 -怪物の町- 弐-完 ( No.96 )
- 日時: 2008/09/09 19:58
- 名前: ゆずゆ ◆jfGy6sj5PE (ID: nc3CTxta)
- 参照: 魔法の使えない魔術師は魔術師ではありません。
三章 [ 灼熱ワールドエンド-疑太陽(ぎたいよう)- ]
序章「有名漫画のアレ」
九月二日。夏も終わり、お盆も過ぎたところで涼しくなっているはずなのだが——地球は、暑かった——。
これでわかることは……まず一つ目。地球で異変が怒っている。二つ目。電気代がクーラーなどの電化製品でとても大きくなる。三つ目。人類滅亡注意報発生中か?
◆
扇風機とクーラーと冷蔵庫とアイス。
扇風機はあかりが抱えていて、クーラーは三人で、冷蔵庫の扉を開けてひんやりしているのはお嬢で、アイスをぺろぺろと食べているのは月子。
外の日陰の気温は40度。九月も過ぎた。なのになぜ——?
あかりは扇風機の前で涼みながら、大きな声で吐き捨てる。
「ああつついいんだぁよ!」
「あかりー宇宙人見たいな声になって——」
「ピーピーピーピーピーピー」
「お嬢。冷蔵庫閉めてあげないと」
扇風機が送る風を真正面で浴びているため、あかりの声は宇宙人のように変化していた。そしてお嬢は冷蔵庫を開けて涼んでいる。つまり、冷蔵庫を開けっ放しにしていると冷蔵庫の意味長くなってしまう。その為に冷蔵庫は自分で『ピーピー』言ってそれを知らせているのだ。だがお嬢は冷蔵庫を閉めようとせず、にっこりと冷蔵庫に向かって笑いながら言った。
「偉いわね、冷蔵庫くん。あなたは自分で自分の危機を伝えている——すばらしい!」
「いいから閉めてあげないと」
「ピーピー」
「冷蔵庫が大変に
「ピーピーピー」
「なっちゃいますよ、お嬢」
アイスをぺろぺろと舐めて食べている月子がテレビを見ながら言う。彼女は感情が無い。つまり暑いと感じない。羨ましい羨ましい。
それからあかりは扇風機のスイッチを切り、お嬢に向かっていった。
「おじょ」
「ピーピーピー」
「いいか」
「ピーピーピーピーピー」
「めてくだ」
「ピーピー」
「さいよ!」
するとお嬢は今になって冷蔵庫を閉めて、あかりに向かって言う。
「ううむ。聞こえなかったからもう一回お願い」
「お嬢いいかげん閉めてくださいよ。——お嬢、地獄行きますよ地獄」
あかりの言葉を聞いて、月子は残っていたアイスをぱくっと食べてからあかりの隣に行き、お嬢を見た。
お嬢はあかりと月子の顔に両手をかぶせ、顔が見れないようにする。だが遠くにいるあかりと月子はそれに気づき、顔を左右に振りながら言った。
「地獄行きますよ、地獄」
「地獄行きましょうよ、地獄」
お嬢はあかりと月子の顔を見れないように目の前に伸ばしていた両手を下げて、しばしばと言った。
「分かったよー。——ちぇ」
◆
「つまり、何かが接近しているのぎゃ」
「……何かって何?」
「だきゃら、熱いものとか——だな」
閻魔大王は首を傾げながらいつもの様に見事に噛む。
閻魔大王の言った『熱いもの』について、月子は無表情に短く言う。
「ヒーター」
「じゃあわたしは熱湯ー」
「え!? お嬢が熱湯ならわたしは……火?」
あかりの言葉に閻魔大王は赤い顔についている口の端を引き、微笑みながら言う。
「そうだ。火だ、火。だが普通の火ではない。もっと火らしい、火だ」
「——太陽ね、閻魔」
次にお嬢が真剣そうに言う。
あかりと月子は何も分からない。それからお嬢は、きていた真っ黒のワンピースを少し揺らしながらあかりと月子に向かって言った。
「鉄腕アトムってやつよ」