ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ブルーアース、 2あっぷ ( No.5 )
- 日時: 2008/11/30 17:45
- 名前: ゆな ◆31GLOhbM$T (ID: 5xRuHQIJ)
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「え? いや、オッドアイは関係ないと思うんだけど……」
ヴィルガットが頭を抱えてため息をついた。
「お前は分からないやつだな……。超人体の瞳の色は紅! 人間の瞳の色は蒼だろうが!」
「あ……。そっか。だから僕が紅と蒼のオッドアイで紺碧者という印なのか」
「そうだっつの。本当にお前は馬鹿だな」
僕は、あはは……と苦笑しながら頭をかいた。それにしても、空気が冷たくとても痛い。
先ほどまでは何も感じなかった空気が氷のように冷たくなって僕を貫いてる気がするんだ。
——危険が僕に近づいているのだろうか。そう、思ったときだった。
とても太く長い氷の刃が僕を貫き、その反動で体が二歩後ろに下がったのと同じ瞬間、今まで僕が居た場所に剣を持った赤い髪の女の人が居た。
「サロン・クラシス……」
ヴィルガットは赤い髪の女の人をサロン・クラシスと呼んだ。なんで、ヴィルガットは知ってるのか。
赤い髪の女の人は腰まである髪の毛を前髪の方から無造作に後ろにかきあげポニーテールにしていて、瞳の色は透き通るような黄色だった。お腹が見えているセクシーなワンピースに左肩だけ羽織っているマント。……腰に付けた大きい杖に鞘。見た感じからは魔術師のように感じられる。
「最狂最悪の大悪魔ヴィルガット。まさかこんなところで逢うとはな」
「最凶最低の大魔道師クラシスか。俺様は常日頃からお前に嫌味を感じていたんだ!」
ヴィルガットは、右手で僕を後ろに下がらせた。これから、戦いが始まるんだ。
僕は戦いというものを見るのが初めてだった。少し、ワクワクしていた自分を責めたのは戦闘中盤から。
二人は間合いを見て、一瞬の隙をつく。クラシスは大きな剣を両手で右へ左へと振り回す。
ヴィルガットは特殊な岩のように硬くなった腕で剣をとめる。そして、クラシスが剣を右から左へ振り替えす直前の隙だらけの腹部へ打撃を狙ったがクラシスはふう、と息をヴィルガットの腕に吹きかけると、まるで息がクッションになったように腕が跳ね返された。