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Re: ブルーアース、  4 ( No.7 )
日時: 2008/12/01 19:09
名前: ゆな ◆Q7TteKrl (ID: 5xRuHQIJ)




「——僕は今とても怖い。なぜ、あなたが殺されたの。なぜ、超人体が悪者なの!!」
 自分の胸の前で手を交差させ、腕を掴む。分厚いマントを羽織っているのにも構わず直接肌に冷気が当たっているようだ。
「クリスタル・エントラーゼを持っていたから私は殺された。それに、悪いのは一部だけだ」
 そういって、多分あのカギが入っていたであろう箱を見せられた。確かに、箱の中心にへこんだ窪みはカギと一致している。
「……お前が、三人目だったのか。そして、超人体の組織に入っているやつが四人目……」
 ヴィルガットは呟いた。
「そういうことだ。私はいやだが、どうやらお前達と共に行動しないといけないらしいな」
 僕は「はい」と言って、ヴィルガットの方を見た。あきらさまに嫌そうに怪訝な顔をしている。
「それに、そこのチビにとって私は思わぬ拾い物かも知れんのだぞ」
「は……? 僕ですか……」
 クラシスは何も返事をしなかった。そして、いきなり整った眉を潜めた。
「ヴィルガット……気づいているだろうな……」

「……ああ。“居た”」

 ヴィルガットとクラシスは僕を通りこしたその先を見ていた。僕も振り返って目を細めて見ると、遠くに、紅く光ったものがいろいろな所で動いてる。
「あれは堕ちた死神共だ。行くぞ、そこのチビ。我につかまるんだ」
 そういったクラシスさんの肩に僕はつかまり、しゅんっ、しゅんっと道を走り抜けていくクラシスさんにしがみ付いていた。後からヴィルガットもついてくる。


 ヴィルガットも僕もクラシスさんもこれから何がはじまるのか分かっていた。
 だから、僕の中に眠っている血も騒ぎ始めた。きっと、僕も戦いに参加することになる。
「死神につくまで、もう少しかかる。今のうちに楽にしておけよ」
 僕はほんの数分の眠りについた。最近はまるっきり寝てなかったし……本当に、色々あったから——。