ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   一枚の花弁を捧ぐ ———— ( No.25 )
日時: 2009/01/15 23:34
名前: ツナミ ◆vCYmhrg2DI (ID: 6.Riuk1k)
参照: 『 赤 い 花 が 血 の 様 に 舞 っ た ———————— 』

※- 黒 -の続きです。




「今回のは成功しました——————」




男が私を冷たい目で見てくる。


まるで、化け物を見るような目で。


私は怖くなった。




「成功したって——————、何に?」




恐怖で声が上擦っていたかもしれない。


でも、当たり前だと思う。


もし自分に何かされていたら、誰だって恐怖だと感じる筈だ。




「私は何をされたの——————?」


「・・・・あぁ、言ってなかったね。君には記憶喪失だと言ってたね・・・・。君は—————」




担当医がそこまで言いかけた時、男に遮られた。


そして、男は口を開いた。




「——————君は、実験体として選ばれたのだよ。・・・・だが、君はもう生きられない」




 パァァァァァン!




大きな音がした。




「え・・・・・・・」




あまりにも一瞬の事過ぎて、自分でも何が起きたか分からない。


ふと腹の辺りが生暖かく感じた。


私は腹の辺りを見る。すると、白い服が赤く染まっていた。




「な・・・・」




痛みは感じなかった。


ただ段々と意識が遠退いていく。


それだけだった。


そして、私は倒れた。





    *



「・・・・生きていますか?」




担当医が銃を下ろしながら言った。




「・・・・いや、もう生きてはいないだろう。・・・・生きられては、私達が困る。」


「あぁ、そうですね。」




後ろに下がっていた担当医は、死体と化した少女の所に歩み寄る。


男は少女を見下ろしていた。




「これからどうしますか?———また、実験体探しですか?」


「実験体よりも、まずは死体を後始末しろ。・・・・国には少女は生存しているという事にしておけ。」


「分かりました・・・・。」




そして、男は病室を出ていった。


担当医は溜め息を吐いた。


ふと床を見ると、男が置いていった資料が落ちていた。


拾ってみて見ると、資料では無い新聞が二枚か入っている。


その新聞には


『国内の人間全員が実験体にされ死亡。』

『実験という名の殺人事件』


という見出しがあった。


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

はい!- 黒 -の後編でした。

やっと終わったー!ずっと更新してなかったので忘れかけてた;;

終わったので、次回からは新作ということになります(え