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Re: 島子の夏 ( No.115 )
日時: 2008/12/24 20:49
名前: 夢月 ◆F1AECCCN32 (ID: NbE37YYW)
参照: この広大な空の下 全ての国々の子供たちが 戦争—— その言葉を口にすることがなくなるのを願います……



「なんだい? 不満ありげな顔して」

目を釣り上げ伊織を下からのぞきこんだ。瑞の外見は10歳くらいの少女だが、顔立ちが大人っぽく整っている。道を歩けば全員が振り向くことは間違いは無いだろう。伊織は、頬が熱くなるのを感じる。よく見れば美少女だな……言葉遣いは古臭いけど……。そう思うと違う意味で緊張してしまう。
「いや、特にない。ところで、お前も戦わないのか?」
「ああ……。そろそろ行こうかね」
意味ありげな笑いを含ませると、大地を蹴り空高く飛んだ。水、と書かれたお札を投げ水を出現させる。その水は龍となり虐子神を包む。しかし、その水は徐々に消えていく。苑は、後ろから攻撃しようとしたものの虐子神に弾き飛ばされる。虐子神は、ふふふ……と不適な笑い声を上げた。

「さあてと。お遊びは終わり。本気を出させてもらうよ!」

そう言うが早いが、苑と瑞の周りには炎の壁が出来る。たちまち、苑と瑞の姿は見えなくなってしまった。虐子神は、まだ不適に笑っている。伊織は、虐子神のことを殴りたく衝動に駆られる。

「くっ……もうだめだ!」
微かに、瑞の呟く声が聞こえると伊織と勇は絶望した。