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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 島子の夏 ( No.47 )
- 日時: 2008/11/17 08:30
- 名前: 夢月 ◆F1AECCCN32 (ID: NbE37YYW)
4
眠気が唐突に襲ってきた。伊織は、睡魔に逆らうことなく目を閉じ麻の二度寝を決行した。ぽつぽつ……雨の降る音が聞こえてくる。それは、子守唄のように心地よいリズムで流れ出した。
伊織が寝てから、数時間がたった。病院の中が、雨の音よりも騒がしい。その騒がしさに、伊織ははっと目を覚ます。辺りを見回すと、同じ部屋に入院している患者達の姿が数人見えた。そして、廊下には騒がしそうに動き回る医師の姿。
「うっさいな……」
伊織は、呟くと駿に話しかけようとした。しかし、駿の姿はない。お手洗いに言っているのかもと思い、近くにいた伊織と同じくらいの年の相沢英に話しかけた。
「駿はどこですか?」
「ああ……突然発作が起きたらしく大きな病院へ行くことになったよ」
伊織は脳内が真っ青になった。機能まであんな元気だったのに、発作? あと数日で退院できると話していたのに? 伊織は瞬きをせずに呆然としていた。
「ありがとう……ございます……」
ぎこちなく礼を言うと、顔を枕にうずめた。
そして考えた。
祟り——?
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