ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 島子の夏 ( No.97 )
日時: 2008/12/15 17:16
名前: 夢月 ◆F1AECCCN32 (ID: NbE37YYW)
参照: 少し腹黒いめんどくさがり屋の十二歳です。現実ではうるさいのは苦手ですね、はい……;;ファンタジーが死ぬほど大好きですv



「な、……誰だよ!?」

叫んだ。しかし、その人物が自分を助けてくれたことには変わりがない。何故なら、もう一人の少女は片手で伊織を軽々支えているのだ。お礼より、誰なんだ、どうして自分を救ってくれたのか……という疑問を言いたい。口まで出掛かったが、先にお礼を言うことにした。伊織の家では、必ずお礼を言うことになっている。その教育のせいか、伊織と伊鶴はどんな刺さないことでもお礼を言うことになっている。……こんな緊急事態でも。

「あ、ありがとう」
「いいえ。あと、話は後。次の攻撃がくるから、避けて!」
迫力のある声で少女は告げる。この声……どこかで聞いたことがある。そんな感情が訪れた。少女は、伊織の手を引っ張った。その瞬間、伊織がさきほど居た場所には大きな爆発が起こる。伊織はあそこに居たかと思うとぞっとした。
「……そろそろ反撃するよ!」
少女が言うと、黒髪の少女に向かって突進した。すると、何かお札のようなものを取り出し投げつける。そのお札は水になり黒髪の少女を包む。くっ……とうめき声を上げる。水色のワンピースを着た少女は、またお札を投げた。そうすると、今度のお札は闇となり少女を包む。闇が消えた頃には少女ごと消えていた。

「女狐は違う場所に移動させておいた。お前が疑問を持ってること……なんでも聞いておくれ。ああ、私の名前は瑞だ」
少女……瑞は、静かに言った。

「じゃ、じゃあ!」
伊織が聞こうとした瞬間、聞き覚えのある声がした。

「伊織!」