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Re:  双 子 虐め *連続暴力事件編9話あぷ* ( No.100 )
日時: 2008/10/29 20:34
名前: 紗柚 ◆2i1aDyAF9Y (ID: Yv69928E)
参照: ■:;;:* 双子の妹が虐めのターゲットを考えた。そのターゲットは、———双子の姉。 *:;;:■

*10


「…私、本当にどうしちゃったんだろう…」



誰もいなくなった病室で、詩胡は只一人呟いていた。

病室は暗く、真っ白い光がドアの隙間から出ているだけ、とても寂しい病室。



「…俊介君、何か見覚えがあるような…気が、する…」



詩胡は頭をゴン、ゴンと叩く。

だが、一行に思い出せない。



「キュゥン…」



何処からか鳴き声が聞こえた。



「…え、何?…嫌だ…怖い…!」



詩胡は後ずさりする。



「…キュゥ…」



光を浴びて、その鳴き声の主が見えた。

…野良犬だ。

小型犬で、ブラウンの毛。



「か、可愛い…」



詩胡はその犬を抱いた。

—その時。


フワァッ———


詩胡の周りに、ミントの香りがする風が吹いた。



「な、何!?」



詩胡は驚く。



《—貴方の記憶…

       この風にあり…—》



そう、詩胡の頭に響き、風は消えた。

それと同時に、詩胡は倒れた。

—犬を抱えたまま。