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*１０


「しゅ、俊ちゃん!!」

「詩胡ちゃん!!!」



休み時間、いつもこんな声が聞こえる。



「…通れないよ」

「こっちもだ…」



詩胡と俊介は、いつも通りファンクラブの皆さんに囲まれていた。



「明亜ちゃん!!」

「明亜様ぁ!!」

「「相談に乗って下さい!!」」

「はいはい、OKやで〜♪」



明亜とはいうと、女子軍団に囲まれている。

まぁ簡単に言うと、詩胡と俊介は異性や同性から人気があり、明亜は同性から人気がある、という事だ。



「あ、海斗！助けて!!」



偶然目に入った海斗を、詩胡は呼んだ。

海斗はこの声に気づき、声の方を向く。



「あ、詩胡。…しょうがねぇなぁ…」



海斗は面倒臭そうに、詩胡の所へ行って、助け出した。

詩胡は有り難う、と礼を言って、明亜の所に行った。


その頃の俊介は、



「ちょ、おい!!俺も助けろよ!!」



と、叫んでいたという…。