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*９


「…？誰ですか？」

「！…詩胡、貴方…憶えてないの？」

「えぇ、全く」



詩胡はボケーッとした顔をしている。



「…詩里がやったんやろ？…許さんで…？」

「ち、違うわぁッ!!あたしがやったんじゃないぃ!!」

「…嘘つくんじゃねぇよ。ほんと、腐れ切った女だな」



そう、冷たく、低い声で言ったのは俊介だった。

いつもとは、想像できない程、様子が全く違う。



「俊介君…？」

「詩胡をやったのはお前だろ？白状しろよ…














　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　このブリッコが」



俊介の声は冷たかった。

相当、怒っている様子だ。



「…俊介君…？」



詩胡は、あの青い瞳で俊介をジッと見ている。



「…あたし、ほんとにやってないものぉ！」



詩里はそれだけ言って、詩胡の病室から去っていった。