ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 秒 殺 [17話UP完了] ( No.65 )
- 日時: 2009/02/25 18:30
- 名前: 闇神 ◆hak88wiKBM (ID: hj9a4sJB)
十八話『融合』
「じゃあ俺の胸に手をあてて 絶対離さないでね」
俺はコクリとうなずき男の胸に手をあてた。
なんだかあたたかい感じがした。
「じゃあ・・・いくよ?」
男がそういうと目を閉じ力を込め始めた。
!!
俺の当ててる胸の位置のすぐ右隣に黒い指が飛び出していた。
「フフフフフフ まだ死んでなかったのか」
さっきの敵だ・・・
「ガハッ!!・・・早く・・・手を離すなよ・・・」
だんだん男の目がかすんでいった。
「さぁ・・・心臓を握りつぶしてしまうか・・・」
やだ・・・そんな光景みたくもない・・・
「死ねぇ!!!!」
「やめろーーーーーーーーーー!!!」
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「はぁ・・・はぁ・・・」
全員の疲れの息がこのトレーニング場を埋め尽くす。
「今何分たった?」
「えーとねまだ20分」
「はぁ?その時計狂ってんじゃねぇのか?」
「あ!ひとつ言い忘れてた。ここは外の世界の一時間がこっちは一日でカウントされるの。」
一時間で一日・・・これだといくらでも練習が可能だ
「じゃあ俺らは今とことん強くなってる最中なんだな!?」
「そーいうことー♪」
明は自分の顔をバシバシ叩き練習に戻った。
なぜか知らないけど海摩は入り口の方をじっと見ている。
「どうしたの?」
「いや・・・翔が戻ってくる・・・・」
その一言に全員が海摩のほうを見る。
「ほ・・・本当か!?」
明が海摩をゆさぶりながら言う。
「うん・・・あとこっちの時間だと30分後だよ」
「よしそれまでにそれぞれ新技を開発させておくぞ!」
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「グ・・・グギギギギ・・・・」
俺の目の前にはもうあの男はいない。
殺されたんじゃない。逃げたんでもない。
あの男は今・・・俺の体の中にいる。
「・・・誠(まこと)ありがとうな・・・」
男の名前は誠。
俺は今誠の心臓を潰そうとしていた敵の手を強く握り締めている。
「お前・・・絶対ゆるさねぇ!!」
「グギギギギ・・・」
どうやら敵はものすごく俺に怯えてるようだ。
敵は俺の手を振り払うと逃げ出した。
「逃がすか・・・・クソ野郎!」
俺は敵を追いかけた。
すると突然敵は立ち止まった。
「お・・・お前ら!」
そこにいたのは明たちだった。
「再会はあとにしよう・・・とにかくこいつを倒そう。」
「翔!大丈夫ゆっくり休んでて」
馬鹿が・・・あいつらではこいつを倒せないのに・・・
沙紀がブツブツいい始めた。
その間渚が頑張って敵の攻撃を食い止めてる。
長い・・・まだなのか・・・
沙紀の魔法の詠唱時間が長かった。
「こいつを使うのはまだもったいないか!」
そういうと青く光り輝く弾をポッケにしまい火炎弾を取り出した。
「死ね・・・・」
明は引き金を引き弾を発射させた。
あの時同様敵はスルリと弾をかわした。
「グハァ!!!・・・ギギ・・・・ギギギギ」
明たちの後ろに敵はいた。
なんで?どうして敵が避けたのに当たったんだ?
俺はずっとその疑問が頭に流れていた。
「教えてほしいか、鳥人間。死ぬ間際だしな」
そう明がいうと沙紀のほうを指差した。
沙紀は自分の杖をまっすぐに立て願い事をするときのように手を組み人差し指だけ立てていた。
「あの技はなブラット・クロス(ワイドさんありがとう!!)っていってな、守備を気にせず攻撃できるんだ。」
俺はとっても感心した。
「あいつら・・・いつのまに!!」
「じゃあな鳥人間」
明はそういうと引き金を弾いた。
しかし、敵は高く飛び火炎弾を避けた。
!?
俺はたしかに見た。明の口が笑ったとこを
すると撃った弾がグインと曲がり敵に命中した。
「ナーイス!沙紀!」
これも沙紀の魔法のおかげだった。
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