ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ぼくらのいるばしょ ( No.8 )
日時: 2010/01/14 17:40
名前: 朝倉疾風 (ID: VZEtILIi)

         第九章
       平常の反映は異質


『おい、お前から電話なんて珍しい・・・つか、俺の番号なんで知ってんだよ』
『メジロさんから聞いた。 メジロさんはアンタの爺様から聞いた』
『あーそー。 んで何だよ。 つか前まで俺と会ったらかなり嫌そうな顔してたのに。 今俺さ、ゲームしながらメシ食ってて更に漫画まで読んでる忙しさなんだけど』
『最近よく外出てるみたいだけど・・・・誰かと会った?』
『ノラ猫、近所のババア、ガキ、化粧の濃い女、女子高生、親子連れ』
『・・・・マコトって嘘つけないタイプだよな』
『ははははー。 おい、もう切るぞ。 てかこれ以上俺と関わりたくねェんだろ?』
『それには一理あるんだけど・・・どうにもキミを野放しにしておくと危険すぎて安眠妨害の原因となってるんだけど』
『それは有難い。 ・・・・で、わざわざ俺の所に電話してきたっつー事は、何か言いたい事あったんだろ?ウジウジしてないで言えや。 きーてやる』
『もし、マコトの記憶が異常じゃなくなったらどうする?』
『・・・・・・・・質問の意味がまったく分からんが』
『マコトの記憶がもし正常に戻ったら・・・・・』
『俺は事件のことは覚えてる。 何をされたのかはまったく覚えてないが』
『それ、忘れたんじゃなくて自分で記憶を抑えてるだけなんだよ』
『喧嘩売ってんのか? 切るぞ』
『もしさ、マコトが普通の人だったら異常になりたいなんて思う?』
『・・・・・・・・・・・・・・・・マジで喧嘩売ってんのか』
『ん、だよねェ。 分かった。 ありがと。 電話番号は消しておく』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・連れねぇな。 マジで青犯しにいくぞ?』
『そんな場面見つけたら遠慮なく俺はお前を殺.すっつーの』





          

  10ねんごのわたしへ  
             いしがき青

いま、わたしはべんきょうなんてしてなくて、音がくばかりきいています。
10ねんごなんて言われても、しょうじき全然おもいつかないです。
しんでるかもしれないし、いきているのかも。
でもたぶん、まともな人にはなれないとおもいます。
べんきょうしていないからです。
お母さんはべつにそんなのしなくてもいいって言います。 ほんとにその通りだとおもいます。
ゆうやもべんきょうしていません。
だから、10ねんごのわたしなんていないんです。
どこにも、いないんです。




「・・・・・・・・・・・どこにも、いない」
呟いてみる。 ん、耳鳴りがした。
小学校の5年生の割には漢字があまり使われていない青の作文。
勉強はまったくしておらず、漢字も好きな音楽の歌詞にのっているものだけだ。
もう必要ないけど、母さんが送ってきた荷物の中に小学校の頃の文集があった。 俺のは知らない。 多分書いてなかったと思う。