ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦争ごっこ。 ( No.12 )
- 日時: 2010/02/07 18:03
- 名前: 桜菜 ◆7KBxRpu4sA (ID: a7B.qo42)
第7話『戦争其ノ壱 涼鈴中学校-②』
「ああそうだ。ほれ、明煌」
「へ?」
涼鈴中へ行く道中、前を歩く翔琉の手から、俺の手へとパスされる袋。開けてみると、そこには一丁の拳銃と懐中時計みたいなものが入っていた。
「それ、お前の武器な。あともう一つ入ってんのはGPS」
「じーぴーえす?」
いや、GPSを知らない訳ではない。人工衛星かなんかで、人なり物なりの場所が分かるってやつだろ?
「そのGPSにはこの戦場になる五つの学校の校内図が登録されてる。だから、これで仲間の位置が分かるって代物だ」
ほー。便利な物だ。これもカミサマからの《贈り物》か?
「あ、そうだ。例の《アレ》。出来たぞ」
慣れる事の出来そうにない椎原の口調。……例のアレって?
「アレって、なんだ?」
俺はそう聞いてみる。
「お前も持ってるといいよ」
椎原も俺に何をなぜて寄こす。
「一応これが、敵側の位置を示すGPSだ。これは椎原の手作り品」
へぇ、手作り……。って、え?
俺は表情で驚きを露にする。
「私達がGPSを持っているって事は敵共も持っている証拠。だから、敵のGPSがどれかさえ探し当てればこっちから見る事も出来るって寸法」
ふーん。俺にゃ良く分からんな。
公立涼鈴(すずりん)中学校。どこにでも在る様な普通の中学校だ。だから、今、3年は《受験》と言う名の戦争をしているだろう。
そんな学校は、校舎さえも普通だ。特に特徴が無い。
「さー入るぞー」
軽い口調で校門をくぐる翔琉。俺達もそれに続く。
「あ、そうだ。明煌君。ひとつアドバイス」
俺に対する呼び方は変わらないようで安心しつつ、椎原のアドバイスを聞く。
「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」
俺を指差し、「以上」と付け加えて黙る椎原。……これだけ?
隣だと翔琉がクスクスと笑いを漏らしている。そこ、聞こえてんぞ。
「悪ぃ悪ぃ……はははっ」
何が面白いんだか。
しばらくして長らく黙っていた百合がようやく口を開く。
「じ、じゃあ、そろそろ解散して校内に散らばりましょうか……?」
「おお、そうだな。そいじゃ、皆死ぬなよー」
翔琉のその言葉を最後に俺達4人は個々へと散らばる。
——俺は何処行くかな……GPSを見てみると翔琉は体育館、椎原は校舎の一つ、百合は椎原とは別校舎へ向かっていた。なら俺は、百合と同じところにでも行くか。百合のとこGPS見てる限りだと今の所敵居ないし。
茅科学園中等部 明煌・・・3P 翔琉・・・5P 秋穂・・・6P 百合・・・2P
涼鈴中学校 尋・・・4P 鈴・・・3P 由良・・・6P 誠也・・・4P