ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 戦争ごっこ。 【オリキャラ募集締め切りました】 ( No.5 )
日時: 2010/02/07 17:37
名前: 桜菜 ◆7KBxRpu4sA (ID: a7B.qo42)

 屋上の手摺につかまって校庭を見ながら翔琉は言う。そんな翔琉にもうひとつ聞いてみる。

「ついでに聞くが、俺達って・・・お前たち3人の事か?」

 翔琉は首肯する。

「ああ。今日からお前も入るから4人だがな」

 ……へ? 今なんと?

「だから、お前も今日から仲間な。よろしくー」

「よろしく、宮沢君。ううん、もう仲間なんだし明煌君でいい?」

 翔琉と椎原は何事でもないように言う。ただ、俺と百合はそうはいかなかった。

「えぇぇっ!? 俺巻き込まれんの!?」

「……やっぱりそうなりますか……。でも、しょうがないですよね……。知っちゃった今、口封じで死ぬかゲームに参加するかしかないもんね。うん、頑張ろう明煌っ。死なないように!!」

 俺の手をとって俺の目をじぃーっと見つめてくる我が幼馴染み。幼馴染みといってもコレは結構緊張する。と言うか、今、結局死ぬような事言わなかったか?

 結局百合は納得したから、これで3対1。完全に呑み込まれている。

「やっと4人にそろったね」

「ああ、これでメンバーの事は心配しなくてよくなったな」

「メンバー?」

「あ、そういやルール教えねぇといけねぇのか。すっかり忘れてたぜ」

 で、メンバーって何?

「一学校4人でチームを組んで戦うの。で、初めに3Pあって、撃たれると1Pマイナス、逆に自分が誰かを撃つと1Pプラスされるの。それが基本的なルールかな」

 椎原が説明してくれる。それに百合が付け足してくれる。

「他にも、武器は支給される銃だけとか、その銃は規定時間以外に使っちゃいけないとかあるんだけどね」

 だそうだ。

「じゃあ、詳しいルールはネットでググれ。俺は帰るぞー。休戦日なんだ。今日の内に寝とかねーとな。正直むっちゃ眠い」

 翔琉はそう勝手に言い残して屋上から出て行った。

「そうね。私も帰る。またね、明日に」

 椎原も帰って行く。屋上には俺と百合が残った。

「ねぇ明煌」

「なんだ?」

「あたしのお兄ちゃんが殺されたのは幼馴染みだし、知ってるよね?」

「————ああ。知ってる」

 百合の兄、延いては俺の幼馴染みでのあったのだが、4年前、俺が小六の時に殺された。他殺だった。犯人は捕まって現在刑が施行されている。

「あれね。犯人はね。——しようとしてたんだって……」

 大事なところが聞こえない。・・・なんだって?

「《戦争》……。この市の伝説を中途半端に知った犯人が、あたしのお兄ちゃんを、殺したの……」

 言いながら百合は自分の顔に手を当てて挙哀を洩らす。

「だから、あたしはそれを知った後、夢中になって伝説を調べた。そうして、本物の《戦争》に関ってしまったの・・・」

 そうだったのか。と俺は言う。

「絶対、勝とうね……多分、それがお兄ちゃんへの仇になるから………」

 そう言って、百合も俺を置き去りにして、帰っていった。