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Re: 「超能力者」—僕の力— 第1話UP ( No.7 )
日時: 2009/08/10 11:53
名前: *銀* (ID: 1HizU38M)

第2話「仲良くする」

僕のクラスは1−Cだった。

「あー、君かぁ。入学式に堂々と眠ってた子は」

クラスに入るなり、ゆったりとした声が聞こえた。

男性の教師で、眼鏡をかけている。美形だった。

「すいません」

僕は軽く謝った。男子は目配せすると自分の席に座っ

た。

えっと・・・・・。

僕は自分の席を探した。空いている席は一つしかなく

窓側の一番後ろだった。急いでその席に着いた。

「さてと、全員集まりましたね!この一年間担任をさ

せて頂く槌田空輔(つちだくうすけ)です。よろしく

ね」

槌田先生は満面の笑みで言った。女子だけが(僕を除

き)、

「はい!」

と黄色い声で答えた。僕は窓の外に目を向けた。

どうせ、この先生も外面だけだろう・・・。

そう思い、この後の槌田先生の話は聞いていなかっ

た。

休み時間になった。他の女子はもうグループを作り、

僕は一人でいた。

「ハァ・・・」

軽くため息をつき、僕は机に寝そべった。

寝よう・・・。

そう思ったとき、

「おい!」

と、あの男子の声が前の席から聞こえた。

「・・・・・・・」

不機嫌な顔をして僕は顔を上げた。どうやら、前の席

はあの男子だったらしい。

「んな、怖い顔するなよ!俺は火気夜翔!仲良くしよう

ぜ!」

笑いながら翔は言った。

「嫌だ」

僕は冷たい一言でその言葉を片付けた。

どうせこれで、こいつは僕に愛想を尽かすだろう

よ・・・。

僕はもう一度寝そべった。

「じゃ、俺は仲良くする!」

「え?」

僕は自分の耳を疑った。でも、確かにこいつはそう言

った・・・・・。!

そして、僕は知らず知らずに自分の口が動くのが分か

った。顔をもう一度上げ、言った。

「やっぱり、仲良くする」

「ホントか?やったぜ!」

僕は、何を言っているんだ・・・。?