ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪いの旋律 ( No.6 )
- 日時: 2009/08/19 16:26
- 名前: 雛苺 (ID: dCG/D4Gk)
「遅いなぁ・・・。チヨ、大丈夫かなぁ?」
由宇は教室で静かに待っていた。
たとえ夜になろうとも。
「オイ!!もう下校時刻だぞ!帰りなさい」
「えぇ—・・・は〜い。」
担任の教師が戸締りをしにやって来たので由宇はランドセルを持ってチヨの旧校舎へ向かった。
「チヨ・・・。」
覚悟を決めた由宇は重い扉を開けて中に入って行った。
「・・・で、出口は何処・・・!?」
旧校舎に入ったことがないチヨは廊下をただひたすら走り回っていた。
チヨにとって旧校舎はまるで迷路だった。
「ミーツケタァ☆」
「ひっ・・・や、やだぁぁぁ!!」
走って走ってアイツから逃げることで頭がいっぱいだった。
だから周りのことに気付かなかった。
「逃がさないよ」
「捕まえた」
「えっ・・・!?な、放してっ!!」
もう2人の存在に気付かなかった。
人体模型とガイコツと死神。
後から思うとビミョーな奴らに捕まったと思う。
でも、今はそれより・・・・・。
「放してっ放してぇっ!! あっ!」
チヨはポケットから袋を取り出して3人(?)に振り撒いた。
—————コレを持っていって清めのお塩だよ。
由宇からのお守りの品の清めの塩。
「ウッ!!ナンダ?!カラダガ!!」
「き、効いてる!?」
ガッ
何かに引っ張られる気がした。
「きゃぁ」
引っ張っているのは人体模型。アイツは人形。
そう、塩は無意味だった。
「ツレテイッテアゲル。サァ、オイデコワクナイ。サァ、イコウ。」
「・・・・ヤダっ!! 嫌だっ!!!」
チカラが強くがんばっても無駄だった。
ドンッ
「わっ・・・」
ドスン
何かが体当たりをして私は床にしりもちをついた。
「わぁっ」
その何かに引っ張られ廊下を走り3人から逃げた。
「・・・由宇?」
「チヨっ・・・・・!!」
由宇がチヨを助けてくれた。
でも。
「・・・・あっ!」
由宇が下にめりこんだ。
正確にいうと由宇は下へと下の階に沈んでいった。
「い・・やっ!!チ、ヨぉっ」
「由宇!!」
手を伸ばし由宇の手を拾おうとするが失敗して由宇の姿は消えた。
「由宇・・・由宇——ッ!!」