ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪いの旋律 ( No.9 )
- 日時: 2009/08/25 14:57
- 名前: 雛苺 (ID: JC82K/KY)
「由宇、何処? 返事してよ・・・由宇!!」
廊下を走り回って息が切れる。
でも
————涙は切れない
「チヨ・・・?ココ、何処・・・?」
気がつくとそこは海だった。
「もしかして、あの世の入り口・・・・?」
周りを見渡すとあの死神達はいない。
「・・・あれは」
さっきの死神が人々を案内している。
「先生!?」
この前交通事故でお亡くなりになった先生や有名人も列に並んでいた。
白い着物のような服を着てボーッとしながら並んでいる。
ここはやっぱり入り口なんだ。
「帰りたい・・・帰りたいよぉ・・・」
「ココデ・・・シンデシマエ!!」
「き・・・きゃぁぁぁぁっ」
死神、さっきの・・・!!
——————ドボン
誰かに押された。
なんか冷たい手。
あ。
死神が海に投げ込んだんだ。
私、もう地獄にも天国にもいけないんだ。
—————この中で静かに静かに眠るんだ。
他の知らない人たちも寝ている。
「・・・由宇、温かい。」
消毒液のにおいがしてなにもかも真っ白い。
あれから1週間たち、旧校舎は壊された。
「ごめん、ごめんね。由宇、起きてよぉ・・・」
病院はいつも静かだ。泣くとバレそうで泣けない。
由宇も意識だけ何処かへ行ってしまった。
あの時、廊下で由宇の腕を掴んでたら2人一緒だったのに。
由宇はあの世とこの世の間にいるのかもしれない。
私は放課後、校舎に1人残っていると狙われる。
あの死神たちが夢にまででて襲ってくる。
由宇の次に私を死ぬまで、いや、永遠に狙っている、のかもしれない。
だからもう1人ではいられない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
水晶です。どうでしたか?
そんなに怖くなかったですか?
目に見えるものすべてが真実ではありません。
彼女達は誤って階段を踏み外しました。
だから見えてしまったんです。
あの世の番人を。
そして由宇はまた踏み外して見てしまった。
あの世の真実を。
番人はだから海へ突き落としたのです。
彼女は永遠に目覚めるコトができなくなったのです
みなさまも「真実」という階段を踏み外さぬようお気をつけ下さい。
真実を見落としているかもしれませんよ———?