ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 幻覚惡夢病棟 ( No.7 )
- 日時: 2009/08/22 12:37
- 名前: 塊那 ◆8g9L1rPEPY (ID: CKpJ5zkK)
さんかいめ 夢
「ねぇねぇ和人・・・ここ何階?」
鏡子が辺りをきょろきょろ見渡しながら訊く。
「さぁ・・・いまさっき受付みたいなとこあったから一階だろうな。」
俺達は鏡子のマフラーの在処をずっと探してる、
でもどこにもない。
「なんで見つかんないのよ、ああ、マフラー
大丈夫かなぁ。」
鏡子はさっきから落着きがない。
「大丈夫、ちゃんと見つけるから落ち着けって。」
「お前のマフラー、誰かに盗まれたんじゃねぇか?」
「物騒なこと言わないでよ・・・じゃあこの病院に誰かいるの?ってゆうかなんで私達一階にいるのよ!
さっきまで四階にいたじゃない!!」
あ、そうだ・・・。じゃあなんで受付が?逆さまになった?
ふと窓を見ても赤い空に真横から見た草や木。
ここは確実に一階だ。じゃあなんで今さっきまで
四階に??何処で場所が変わったんだ??
謎だらけで頭が爆発しそうだ。
「ねぇ和人。もしかして私達・・・。
『異次元』に来たんじゃない?」
「馬鹿なこと言うなよ、異次元なんてねーよ。」
「じゃあここは何だってゆうの??」
「え・・・。」
確かにこの空間はおかしい、まるで夢みたい・・・。
あ・・・夢、
「夢なんじゃね?」
鏡子が目を丸くした。
「あんた頭大丈夫?ひっぱたいてあげる!!」
ぱしっっっ
「目ぇ覚めた?ね、夢じゃないよ。ここ」
「ハイ・・・異次元でした・・・。」
「ってそんなことしてる場合じゃない!!
私のマフラー!!」
「あっそうだったな・・・」
やっと変な会話が終わった。
そして再び歩きかけた瞬間・・・。
あははははー・・・あったかーい!!!
はっきり聞こえた。女の子の声が・・・。
後ろを振り向いたらいつも鏡子がしてた
赤いマフラーを首に巻いた少女が走り回っていた。
!?
和人が唖然としていたときに鏡子はもう少女
のほうへ近づいていて行った。
「ねぇねぇそのマフラーお姉さんのなんだー
ちょっと返してくれるかなあ?」
少女は振り向いた。
「だれ?女の子と男の子・・・
このマフラー落ちてた。」
女の子の顔はところどころ傷が付いていた。
衣装は入院患者の服みたいだ・・・
その上ボロボロ。髪は三編みだ。
歳は9〜10歳の範囲だと思う
「女の子のマフラーだったんだ・・・。
ごめんなさい、勝手につかっちゃった。」
女の子は素直に返してくれた。
素直すぎだ・・・素直すぎて不気味だ・・・。
「ありがとうね。」
鏡子は笑った顔でマフラーを受け取ると
自分の首に丁重に巻きつけた。
女の子はすこし困った顔をしていた。
すると女の子は口を開いた。
「女の子達は?どうしてここにいるの?」
「え・・・?」
二人で顔を見合わせた
「まよっちゃったんだよ、」
「そうなの・・・わたしもだよ。」
彼女も迷ったのか・・・。あんな小さいのに・・・。
「わたしでたいの、ここからでたい。」
「俺達もだよ。」
すると少女はこんなことを言い出した。
「ねえ、一緒にでよう、出口を探そうよ。」
初対面なのに・・・でも彼女はここにずっといたと思う、だからここがどこかも知っているかもしれない。
鏡子の顔を見る。OKとゆう顔だ。
「ねえ、いいかな?」
「いいよ。一緒に出よう、出口を探そう。」
笑いながら、安心した笑みを見せながら言った。
すると彼女も安心した笑みで
「よかった、もう独りじゃない。仲間ができた。
此処から出られる。」
どちらも安心した。
だが、彼女の胸には少し不安が積もった。
ここから、
悲しくなる出来事が起こりそうだから———・・・