ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 幻覚惡夢病棟 コメくださいっっ!! ( No.8 )
- 日時: 2009/08/26 15:55
- 名前: 塊那 ◆8g9L1rPEPY (ID: CKpJ5zkK)
よんかいめ ここは狂った病院
「そうえばさ・・・あなたの名前は?」
鏡子がきょろきょろしながら女の子に尋ねる、
確かに、名前どころじゃないからな今は。
「わたしは、ゆめ。それしか知らない。」
それしか知らない。ってなんだ?
「ゆめちゃんか〜可愛いな〜♪」
「お姉ちゃんの名前は?」
「ん?私は鏡子。で、こいつが和人。」
「鏡子と和人・・・。」
ゆめが呆然と俺達の顔を見ている。
なんだよ・・・。怖いな・・・。
「さ、さっさと行こうか!」
微妙な空気を鏡子がぶち壊し、再び歩き始めた。
ああ、俺達どこ行くんだろ・・・。
出口も知らないのに。
カウンターを右に回ると階段があった。
2階に上がる階段だ、あれ?でも本当だったら
ここには階段なんか無かったはず。
「階段だ!やっと2階に・・・。」
鏡子が颯爽に階段に駆けていくと突然鏡子の口から
ひゃっという声が、
「どうした?」
「ひぃ・・・血が・・・。」
鏡子のもとへ駆け寄ると一段目からずっと上まで
大量の血痕が付いていた。
「酷いな・・・どうしてこんな・・・。」
一つ足を踏み入れた瞬間。ごろっと何かを蹴った。
なんだ?
恐る恐る下をみたら、
ひとの足2本と手1本が落ちていた。
「うっ・・・。」
よくみてみるともぎ取られた感じだ、
それにしても酷いな。誰がこんな・・・。
「も、もういいでしょ。早く上に行こうよ!・・」
鏡子は涙目だ。怖いんだろう。
「うん、ゆめちゃん行こうよ。」
ゆめはその場に立ちすくんでいる、
「だめだよ、そこ上がっちゃいけない。」
は?
二人とも眉間にしわを寄せた。
「なんで?大丈夫?ここ階段だよ?」
「1階何にもなかったじゃないか」
夢は無表情のまま口をを開いた。
「ここを上っちゃったら。あの子に
殺される。」
うん?何言ってんだこの子・・・
「は?何言ってんの?」
「この病院は狂った病院。どれも正解とは限らない」
ゆめが怖くなった・・・
「あの子に身体とられちゃう、あの子は身体を欲しがってる」
何を言ってるんだ?
鏡子は冷静そうだ、
「ゆめちゃん、じゃあこの足とか手は?」
「足2本、手1本、あの子は手を取った。
その『まよいこんだひと』から」
じゃあ俺らもこの階段を上ると取られるのか?
迷い込んだから??
さすがに鏡子も戸惑っている。
「あの子・・・って誰なの?」
鏡子が恐る恐る訊く。
するとゆめは悲しい顔をした、まるでいやなことを
思い出すみたいに。
「わたしもよくしらない・・・でも少しは・・・」
「なに?いってみて」
鏡子は容赦ないな。ま、仕方がない。
「あ・・・あの子はわたしの友達だった・・・かも」
かもってなんだよ。あいまいだな、
しかもそんなんあんま関係ないし。
「で、この病院の4階にいるらしいの。
で、包帯だらけなんだって・・・。で、ここに迷ったひとを襲って身体の一部を取って・・・自分の体の一部にしちゃうんだって・・・。」
おそおろしい奴だ、しかも4階って俺らいたんですけど・・。
あ?
もしかしてゆめが傷だらけなのは襲われたとか・・・?
ゆめの顔を覗き込むと
ゆめはなんかヤバそうな顔をしてる。
「どうした・・・ゆめ?」
「わたし・・・あの子におっかけられてる・・・。
ど、どうしよう」
やっぱり、ゆめは襲われたんだ!
「う、うしろから聞こえるの、いつもいつも、ゆめ、ゆめ、って・・・こわいの・・・わたし」
ゆめの様子がおかしい。
次の瞬間、
ゆめが何か恐ろしいものを見た様な顔をして、
悲鳴を上げてこの場から逃げ出した。