ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 創られた殺人鬼 ( No.30 )
- 日時: 2009/09/01 16:47
- 名前: 梨凛 ◆t5rSTnKmCc (ID: tgcfolY3)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=Km5pazYcOrl
第六話:殺人鬼・・一人目
「ほれほれ、どぉすんだ?つか、俺から言わせてもらうと、てめぇは断れない。」
断・・れない・・?
「何・・いってるの?」
断れないって・・そんなことない。わたしは断る。
「私は断る、ねぇ・・絶対無理よ。」
なんで・・
「なんでそんな事・・いえるのよ!」
「だってよぉ、俺が願いを叶えればてめぇを咎めるものは何一つ無いんだぜぇ?」
「あなたの殺人衝動を無理に抑えなくても良い。」
私を・・・咎めるもの・・私の・・殺人衝動を・・抑えなく
ていい・・わからない・・・わからない・・!どうすればいい
の・・!?
「願いを、叶えれば沢山のモノを壊せる。そして、その罪に問われるコトもない。好きなだけ、人を殺せる。」
沢山のものを壊せる・・罪に問われることは・・ない。
好きなだけ・・人を殺せる・・
「はぁっ・・はぁッ・・」
「おーおー混乱してるみてぇだな。かなえるか?」
「はぁッ・・叶えない・・!はぁッ・・はぁッ・・」
フードの人は舌打ちをした。でも、私は叶えない。
絶対に。
「殺人衝動を抑えなくても、いいんだぜ?肉を絶つあの感触。体液の香、温もり・・斬った直後、痙攣している臓器の必死さ。徐々に熱を無くしていく身体という入れ物・・」
フードの人がくすくす笑いながらいうその言葉はまる
で悪魔の囁き・・・。私はその場にしゃがみ込んでし
まった。
「ああ・・ああ・・。・・・・ふ。・・ふふふふ。ふふふ・・!!」
私は自分の殺人衝動を抑えきれなくなった。でも
やっぱり、フードの人の意見には賛成。だいたい私は
いつも耐えてた。我慢してた。咎人になりたくなかっ
たから。でも、願いを叶えれば人を殺しても私は咎人
には決してならない。誰を殺しても・・何人殺して
も・・・
「ふふ・・・喉が渇いた・・。」
「そうか。だったらジュースを採ってくればいいじゃねぇか。採れたての人の血はまさに別格だぜ?てめぇが一番知ってんじゃねぇのか?」
「そう・・そうだよね・・ふふ・・ふふふ・・!!」
私の顔は自分で確認しなくてもよく分った。それは、
殺人鬼のような顔だった。
「殺人鬼・・一人目。」
フードの人が何か言ったようだったけど私には聞こえ
なかった。