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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ☆゜・*:.。.☆真夜中の郵便 ☆゜・*:.。.☆ ( No.6 )
- 日時: 2009/08/29 12:12
- 名前: 真優 (ID: ZA6SmDfs)
第一章
〔流行のシャーペン〕☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆
一週間前,あたしのクラスで流行だしたクマさんのシャーペン。
流行らせたのは,二週間前に転校してきた,〝北川 ユナ〟って子。
二週間前に転校してきたばかりなのに一昨日また転校してしまった。
ユナは可愛くて,誰とでも仲良くできて,クラスの人気者だった。
そんなユナとの短い付き合いだったケド,楽しかったのを覚えてる。
「また,会いたいな」
そう呟いてみる。けれど,ユナは戻ってくるわけでもなくって…。
さみしい。だって,今のあたしには友達がひとりもいない。
あたしは貧乏だから誰もあたしにもあたしの家にも近寄らない。
ただ,ひとり,ユナだけがあたしと仲良くしてくれた。
だから,クマさんのシャーペンもあたしは持っていない。
そう,今ではクラス全員(ここは女子専用の学校)がそのシャーペンを持っている。
それに,皆,クマのシャーペンしか使わない。
その中,あたしひとりだけ違うシャーペンを使っている。
はぁ〜いつまでこんな日々が続くんだろう。
あたしも友達とああやって楽しくおしゃべりしたいなぁ。
ひとりにはもう慣れっ子だったはず。
けれど,ユナが一緒にいてくれた時,その時はひとりじゃなくてふたりだった。
だから,全然寂しくなかった。
けれど,いざユナがいなくなると,寂しくてユナを求めてしまう。
はぁ〜〜〜ひとりはイヤだよ,ユナ,戻ってきて。
明日,とんでもないコトが起きる事に,あたしは全く気付いていなかった。
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