ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ☆゜・*:.。.☆真夜中の郵便 ☆゜・*:.。.☆ ( No.40 )
日時: 2009/08/30 19:54
名前: 真優 (ID: ZA6SmDfs)

第一章
〔流行のシャーペン〕☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆



もう,耐えられない…。

毎日毎日続くいじめ。

一体…いつ終わるの?

あれだけの事でここまでやる?…本当は他に理由があるんじゃない?

「ねぇ,近藤…さん」

あたしは蹴られてつらい思いをしながらも必死に言葉を発した。

「何?貧乏人さん♪」

"貧乏人〟その言葉がやけに傷つく。

「近藤さんはどうしてあたしをいじめるの?」

近藤さんは少しびっくりした表情をした。けれど,また二ヤリと気味悪く笑った。

「前に言ったでしょ?あの時の掃除の時の事よ」

「それだけで,ココまでやる?本当は他に何かあるんじゃないの?」

近藤さんは一瞬表情を変えた。

……図星か。

「そうよ。よくわかったわね。あたしは,貧乏なあんたがうざったいのよ。ひとりだけクマのシャーペンを持ってないし。ま,簡単に言うとクマのシャーペン持ってないからいじめてんだけどね」

あたしが,貧乏人でクマのシャーペン持ってないから?だからいじめるの?

「持ってたらいじめない?」

「えぇ」

クマのシャーペンを持っていれば…

…いじめられない?

けれど,あたしは貧乏人。シャーペン買ってる余裕なんか少しもない。

でも…つらいよ。




そんな時だった。

あの噂を耳にしたのは…。

あたしは,ただ気晴らしに散歩をしていた。すると,おばさん達の話しが耳に入った。

「ねぇ,最近近所で変な噂を聞いたの」

変な噂?何それ。

「あのね,午前0:00の郵便なんだけど,それはほしい物を黒い紙に鉛筆で書いて枕の下において寝ると,0:00ちょうどにほしいものが届くとんだって。けれど,郵便が届いたその瞬間から頼んだ人は夜,眠れなくなるんだって。変よねぇ,こんなの」

ウソだぁ〜〜〜

そんなのあるハズない。

でも,それが本当だったらあたしはお金を頼むかな?

もう貧乏は嫌だしね。

……貧乏という言葉でハッとした。

クマのシャーペン。

…この噂が本当なら,手に入る。もういじめられる事はない。

けれど,夜は眠れなくなる…。

あたしは,ずいぶん迷った。

その結果…