ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 銀蝶マリア ( No.7 )
- 日時: 2009/09/01 15:48
- 名前: 霧茜 (ID: 7z3IIjJJ)
銀蝶マリア
「 」
創り上げるのは難しいけど、壊すのはとても簡単。
婦女暴行殺人事件。
最近連続してこの事件が起きている。
あたまがぐるぐるする。
入ってくるのは殺された人々の記憶。
黒い服の男の人になぶり殺される。苦痛で苦痛で・・・
「くすくす」
「!?」
「更新されてるもんなんだね、これは最近流行の殺人事件?」
「だ、だれ・・?」
黒い服、白い肌。
いくつものスクリーンに映し出される、殺される場面。
その真ん中にぽつんと立ってクスクス笑っている女。
「だれなの?」
「知ったって意味ないよ」
女は笑いながら言った。
「貴女の夢はいつも悪夢だね」
「・・・え・・・」
「元々、幸せな夢を壊す主義なんだけど・・・おもしろそうだから、ね」
一気にスクリーンが消える。
女も消えた。
男が目の前にいた。
あたしは動けない。なんで・・・?
男はあたしを見ている。
そしてゆっくりと近づいてくる。
あたしは理解した。
今、あたし自身が、スクリーンの中の被害者。
殺される。
「・・・・ら、志村!」
「っ!!!」
とんでもない悪夢だった。
授業中の居眠り。まさかこんな夢を見るなんて。
全身が汗だく。
男のナイフを持った手が振り下ろされる瞬間が、まだ鮮明に残っている。
「ったく・・・居眠りしやがって」
「ごめん高橋先生・・・てか、タカちゃん」
「言い直さなくていいから、先生でいいから」
数学が高橋先生でよかった。
他の先生なら煩くいわれるところだが、高橋先生は見逃してくれる。
とにかく、もう居眠りはやめよう。
キーンコーンカーンコーン・・・
授業も終わり、気分転換に廊下へでてみる。
涼しい風が廊下の窓から吹いてくる。
「いいよ。持ってってあげる、数学準備室でしょ?」
「ありがとう!」
クラスの提出物だろう、ノートを持って教室から出てくる生徒。
「(色、白っ!)」
その生徒の肌はとても白かった。
__________
「失礼します。1年1組の週番です。クラス提出物を持ってきましたー」
「はーい、ごくろうさま〜」
数学準備室の入り口から聞こえた声は、予想してた者とは違っていた。
「成沢さんって週番じゃない・・よね?」
「週番の人、委員会だから代わりに持ってきたんです」
「そっか・・」
提出物を受け取って、終わりのはずだった。
明日はどんな世界か楽しみですね。
思い出さなければ、終わりだったのに。
「待って、」