ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 銀蝶マリア ( No.8 )
日時: 2009/09/02 20:40
名前: 霧茜 (ID: 7z3IIjJJ)

銀蝶マリア
   「アリア崩壊」




「待って、」

がらがらがら、墜落。

__________



「っ!」
悪寒が襲う。
強い不快感。
昨日の不快感が一層濃度を増した。
もうそろそろ、かな。

全ての授業は終わって、あとは帰るだけ。
下校時、誰かが死ぬ。
不思議なことに、不快感の根源が誰なのか特定できない。でもすぐ近く。
きっと交通事故か何かだ。もう、うんざり。

一人でゆっくり帰り道を歩く。
不快感はまだもやもや。
その時点で、気づくべきだったのに。




視界が真っ暗になる。
頭が、まわら、ない、よ




__________


「・・・・っごめん・・なんでもない」

よく考えろ。
あの夢の話をしたって、何になる?
それに夢に出てきただけで、何なの?
あれはたまたま、たまたま出てきただけ。
夢の中だから、現実の成沢さんは俺の目のことは知らないはず。

「・・・?」
「ごめんね、何でもないから。ノート持ってきてくれてありがとうね」
「・・はい、じゃあ先生、さようなら」
「うん、気をつけてね」
「また明日ー」

知らないはず。知らないはず。
何も言わないで、振り返らないで、夢の中の様な笑い方しないで。





もしかしたら、今晩会うかも。







呼び止める理由はそろった。
口パクだったけど、確かにそう言った。
でも、呼び止められなかった。
今晩、会う、かも・・・・



__________



「紫、提出しといてくれてありがとう!」
「ううん、大丈夫だよ〜」
「・・・何かテンション高いね?いいことあったの?」
「ん?んーあったかも」

あれは覚えてたんじゃない。
思い出したんだ。
でも嬉しいな。

今晩はすっごくおもしろくなりそう。

夢を壊す以外に、夢の中で面白いものを見つけた。








それが、墜落直後。
がらがら、がしゃん。