ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 落としたよ ( No.4 )
日時: 2009/08/30 13:55
名前: 花月 (ID: 0vH/svqy)

三話  「男」

目が覚めたのは病院だった。

「郁哉!」

母さんが心配そうに俺を見ている。

「俺……」

「あなた、道で倒れてたのよ!気づいた人が救急車を呼んでくれたの!」

あれは、夢だったのか…

俺はそう思って外を見た。

「あいつっ!」

外にはあのコートの男がいた。

男は何かを握っている。

まさか…俺の心臓じゃ…

男は歩き出した。

逃がしてたまるか!

俺は病室を飛び出した。


男は早い。

まるで足なんか無いように、スーッと行く。

男に追いついたのは、廃工場だった。

男は心臓をのこぎりで切ろうとしている。

「やめろおおおおおおおおおお!!!」

俺は叫んだ。