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Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.109 )
日時: 2009/12/19 16:23
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

男の子の荒い呼吸が続く中、舞はびっしりと冬なのに汗をかいていた。

 「 はぁ……はぁ…おぇっ」

  ええっ…今、吐きそうになったよね ? !

どすどすと舞の方へと歩み寄って来たかと思うと、隣の祐樹の前に立ちふさがった。


荒い呼吸のまま男の子は口を開いた。

 「 …おれが……めーる……おくったの…しってるか ?」

とぎれとぎれに言った後、深呼吸をした。

 「 …どのアドレスに送った ?」

涼しい顔で祐樹は別のパソコンでメールの受信箱を開いた。

 「 ……このまえ………おしえてもらった…やつ…」

祐樹は男の子を見ながら、ほおずえをついた。
これはよく祐樹が何かを考えているときにするポーズだ。


ダルシーは男の子にペットボトルのお茶を手渡す。

 「 ……あ、悪い。もうそのアドレスのID使ってないんだった」
 「 なっ ! ! ! 何だって ! ! !」
 「 そのID、捨ててないけど…もう何日も使ってなくてさー——」

舞は男の子の背中がわなわなと震えていることに気がついた。

  何かマズいきがする…


だか、その時だった。
急に男の子はすすり泣き始めた。
これには舞もダルシーも沙紀までもがギョッとした。

 
 「 ……俺が…どれだけ心配したか…お前がな、俺はてっきり——」
 
 「 死んだと ?」
 「 そうだ ! ! !  全く、損したよ。
   …今度から変更したときは必ず言え ! いいか !」

 「 …めんどくさ——」
 「 いいな ! !」

男の子は今度は振り向き舞を見つめる。


 「 えっと…初めまして……その…」
 「 竹本涼だよ。涼でいいから。宜しく」

  涼……そうか、やっぱり仲間だよね

 「 私は舞、宜しく」

座ったままだと悪いので、舞は涼と向き合うように立つ。

  あ、身長同じかもしれない。

 「 …いいかげん銃しまったら ?」
ダルシーが涼の片手に握られた二丁の銃を指差す。

 「 あっごめん…ごめん…。いやぁ、ちょっと外が大変で…」

 「 もしかして、テレビ局とか ?」

舞は聞いてみると、涼はぶんぶんと首を振った。

 「 それだけじゃない。…違反者狩りのBBRの仲間もいてねぇ…。
   この辺はあまりよくない」


それを聞いて、連行される姪華を思い出した。

未成年だからといって、犯罪を犯していい訳が無い。
きっと捕まったら、どこかの施設などにいれられるのだろう。

既に安息の地は無いのだった。