ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.113 )
- 日時: 2009/12/19 16:20
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ダルシー、私だけでも———」
「 駄目。…今の状況分かってるの ? 舞に捕まってもらっちゃ困る」
せめて
せめて少しでもいいから、BBRの仲間を———
「 そもそも、舞、撃てるの ?」
ダルシーが痛いところをついてきた。
「 う……別に、撃てますとも……多分」
「 ……別にいいんじゃないの ? だって…ここで他の仲間が来るのを待つよりはさ」
涼が言った言葉で、ダルシーも渋々了承した。
「 ……あんまり帰るの遅くなったら怒るからね」
「 うん、分かった」
武器の入った鞄片手に、玄関で靴を履いていた。
「 ——え ? どっか行くの ?」
先程の会話をほとんど聞いていなかった沙紀が、困惑した様子で舞を見つめる。
「 うん、まぁ…。ちょっと〝捕獲者狩り〟に」
「 一人で行くの ?…危なくない ?」
「 大丈夫、大丈夫…じゃあ、いってきまーす」
マンションの一室を出た舞は急いで階段を下りていく。
もたもたしている余裕は無い。
何せ、この一分一秒に違反者の運命がかかっているのだから———
「 …はぁ……はぁ…これ、重すぎるだろ…」
銃とその他いろいろ持ってきた舞の鞄はかなりの重さだった。
紐取れないよね…鞄、壊れないよね…あぁ…
さっきまでとはうって変わって、のろのろと道路を歩きながら携帯を開いた。
「 えーっと…近くに違反者、は…あれ ?」
サイトに載った違反者一人一人の住所を見て、異変に気がついた。
何故か、ほとんどが舞達のいる場所に近いのだ。
何でだろ……もしかして巨大グループ的な何かでも築こうとか…
そうか——
もしや、今向かっている人たちが…〝仲間〟
「 でもなぁ…多すぎるし……」
いくらなんでも多すぎる数であった。
ここまでいたら、ゲーム自体一日で終了させることが出来るだろう。
そのまま舞は、取りあえずすぐ近くの違反者のところへ向かった。
「 あー、足痛い…もっと減らせばよかった……ん ?」
正面の大通りに出た途端、一気に人を見なくなった。
もしかして、皆私達が銃を持っていることをテレビで———
その時、路地から急に一人の女の子が出てきた。
手元には携帯があり、舞は自分の携帯を見て確信した。
この子が違反者か
…よし、現在位置もあってるって事は私が探してた子だし…
その子は地面から顔を上げ、舞を見据える。
そのまま近づき、声をかけようとした——
「 ダルシーの友達の舞 ?」
突然、目の前の子が喋り出したので舞は一歩退いた。
何か様子がおかしい
自分でも気が付かないまま、舞は疑いの表情を浮かべていた。
「 …貴方、違反者だよ…ね ?」
顔色を伺いながら、尋ねてみるとその子は、微笑を浮かべた。
「 私は———詩音……BBRの仲間」
聞いた途端、舞は全身が冷たくなった。
ここで逃げたら意味が無い
————ここは——
狂気だった笑みを浮かべ、全速力で詩音は舞に突進してきた。
手に持っているものは、ナイフ二本。
「 ちょ、ちょっと…待って待って待って ! !」
迫るスピードは落ちるばかりか徐々に速くなっているようだった。
舞も追いつかれぬよう、すぐさま後ろへ走り出した。