ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.120 )
- 日時: 2009/11/28 17:16
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 はぁ……はぁ…一旦…」
急いで建物の影に身を潜めた。
警察官や人の気配はしない。
うまく逃げることができたのだろう。
寒さでかじかむ手のひらは、自分の血で赤く染まっていた。
何やってるんだろう…私…
でも、一応、詩音っていう敵の仲間は抑えたからよかったのかもしれないけど——
ダルシー、どんな顔するかな———
鞄にスタンガンを入れ、誰も着いてきていないことを確認すると
再び、仲間のところへと舞は痛みをこらえて走り出した。
ナイフは今だ刺さったままだった。
それも、舞は突然とったら傷口を塞ぐ物がなくなってしまい
今以上に流血してしまうのではないかと考えたからだった。
しかし、この状況を仲間にどう説明すればいいのか舞は悩んでいた。
ナイフが右手に刺さったまま帰ることになるとは考えていなかった。
階段を駆け上がり、人がいないことを確認するといそいで仲間のいる部屋のドアをノックした。
取り敢えず、ちゃんと説明しないと駄目だよね——
しかし、いくら待っても声がしない。
それどころか、物音もしない。
舞は怪訝そうな顔で、さっきよりも強くドアを叩く。
全く音がしない。
——あ、もしかして、皆も違反者とか助けに… ?
ううん、違う。…もし仲間が来て誰もいなかったらってこともあるから…
一人ぐらい居ると思うんだけどな———
右手を見ると、今だ血が流れ続けている。
あんまり良いことじゃないなぁ…早く何とかしないと…… !
一歩後ろに下がり、力を込めて勢いよくドアを蹴り付ける。
それは一回ではなく、何度も何度も。
ガゴンガゴンと蹴る度にドアは音を立てるが開かない。
まぁ、この位で開いたら駄目だろうけど…
再び蹴ろうとしたそのとき、音も立てずにドアが少しずつ開いた。
開くことでできた隙間からは、ダルシーの顔半分が見える。
「 何だ…舞か———」
そのままドアを開いたとき、目は大きく開かれ動きもとまった。
それもそのはず、仲間の右手が血だらけだったのだから。
しかも、ナイフも刺さったままだ。
「 うわあ———」
「 ダルシー ! こんな所で騒いだら人が来ちゃう——」
硬直したダルシーを強引に部屋に押し込み、自分も部屋へ入ってすぐドアに鍵をする。
「 …何 ? どうしたの—— ?」
「 違反者だと思って近づいたら敵側の人間だった…」
そのまま靴をぬぎ、いそいで台所へ向かう。
その後を動揺したダルシーが着いていく。
「 ……どうすればいいの…」
「 取り敢えず止血しないとしょうがない」
ダルシーがタオルで右手を覆う。
しかし、ここからどうすればいいのか分からなかった。
「 …全く…何やってんのこんなときに…」
「 仕様が無いじゃん…というか、生きてただけでもすごいと思ってよ !」
「 それより、どういうこと ? 違反者だとおもったら敵だったって——」
「 …サイトで確認して、違反者の居るところに行ったら——」
そこで舞は口をつぐんだ。
ダルシーも分かったというように頷いた。
「 ……はっきりいって…あのサイト、信じない方がいいかもね——」
「 え————」