ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.130 )
- 日時: 2010/01/16 20:28
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 香奈、お前、今何処に居るんだよ ?」
『 さっきと同じ所に居るって・・・早く来てよ ! !』
香奈の現在地を確認した涼は舞と共に慎重に動き始めた。
一歩踏み出すたびに足の震えを感じた舞は、どうか見つからないようにと内心願っていた。
ダルシー達も、居場所が見つからないといいんだけど……
「 あ……まずい……。おい、あれ見ろ」
「 え ?」
涼が建物の陰に隠れて指を指したところには、無数の人影が見えた。
既に外は暗くなっており、はっきりと人物の特定がやや難しくなっていた。
警察……でも、ここから行くほうが香奈への最短ルートなのに———
「 あ ! ! ! おぉーい ! ! !」
は ?
何かと思って後ろを振り向くと、誰かが大声を上げて駆け寄ってきた。
「 ちょっ——誰だよあいつ ! ?」
「 わ……私だって知らない ! !」
不審な人物は尚もバタバタと駆け足でこちらへ向かってきている。
当然、建物の影から見ていた警察らしき集団の話し声も聞こえなくなった。
「 はぁ……はぁ……いやぁ、ここで会えるとは——」
「 誰だよ ! お前——」
「 そこに居るのは誰だ—— ! !」
誰かのせいだよ——やっぱり警察だったじゃん——
眩しいライトを向けられ、舞と涼と誰かは目を細めた。
「 ったく、おい ! 逃げるぞ ! !」
気がつくと既に涼と誰かは後方に向かって逃げていた。
「 ちょっと、待って——」
「 今すぐ止まらなければ———」
舞の後ろでざわざわと騒がしい音がした。
何とか走る涼に合流して、後ろを振り向く。
警察と思いきや、服装が皆バラバラだった。
もしかして、一般人になりすましてたって事…… ? !
そんなの——あり ? !
「 おい、……何だよお前着いてくるなよ !」
「 お……俺はBBRの仲間だった———」
「 はぁ ! ? 」
急に立ち止まる涼につられて、舞も足を止めた。
というより、自然に止まってしまったと同時に耳を疑った。
今、何て———
「 ……BBRの仲間だった間崎——」
「 何でお前らが此処に居るんだよ ! ! 」
「 ちっ違う ! ! だからもう仲間じゃないんだ ! !」
どういうこと…… ?
仲間から離脱した……ってこと… ?!
急に後ろで大きなドアを閉める音が聞こえて、現実に戻された舞。
エンジン音が辺りで響く。
重低音が聞こえる。
来る——— ? !
「 お前、じゃあ——」
「 そうだよ ! 君達に会いたかったんだよ ! 仲間に入れて欲しくて——」
「 ちょっと !話は後だよ ! !」
会話に夢中になっていた二人に大声で呼びかけて、後ろを見た。
鮮やかなブルーの車が走り出した。
こちらに向かってきていることは明らかだった。
「 全部お前のせいだ ! !」
「 お…おれかよ ! !」
「 いい加減にして ! ! 逃げないと——」
三人は夜道を全力で走り出した。
その後を、ゆっくりと四台の車が追いかけていった。