ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.133 )
- 日時: 2010/01/16 20:30
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
人って何でもかんでもお金で解決しようとして———
これじゃあ違反者狩りと一緒じゃん……
何分か走っていると、徐々に追ってくる人数も少なくなってきていた。
しかし、つい数分前も全力で走っていた三人の足は既に限界を超えていた。
「 これじゃあ何時まで経っても……探せないって——」
そうだけど———
「 ……じゃあ——あんまり使いたくなかったけど…… !」
そう言いながら舞は自分の鞄の中から一丁の銃を取り出した。
それを目にした間崎は驚きを隠せないようで、何か言いたげだった。
ゆっくりと追って来る人に銃口を向けた。
「 おいおいおい…… ! 流石に撃つのは——」
「 撃つわけ無いじゃん———威嚇として……」
撃つなんてさらさら考えてないよ———
後ろを向いて、街頭の近くまで駆け寄る。
涼と間崎は舞の背後にたたずみ、人がやって来るのを待った。
「 来た———」
何処を撃てばいいのかな———
「 外しても害は無い所を撃てよ……」
「 あ、そうだね………」
銃に未だ気が付いていない人々はただただチャンスだと思っているらしく、
平然と走ってやってくる。
調度良い距離になった瞬間、すばやく銃口を地面に向ける。
呼吸を整え、身構えた舞は硬い引き金を引いた。
ダダダンッと音と共に反動でよろめく。
見事に地面へ撃つことは出来たが、無駄に発砲してしまったようだった。
足元の地面に弾が飛んできたことで、呆然としている人々を置いて
すぐさま涼と間崎は舞の腕を掴んで引きずるようにしてその場を走り去っていった。
「 ……効果抜群だね——」
「 だな」
「 でも、銃持ってるってことがバレたね」
〝 威嚇する 〟というのは予想以上に効果があったらしく
後ろからは誰一人追っては来なかった。
「 銃は……使い手によるね」
間崎の言葉の意味が分かったのはそのときだった。