ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: >>>  ア   ク   セ   ス >>>> ( No.138 )
日時: 2010/01/17 12:15
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 ……ちょっと、勝手な事しないでくださいよ」
少々顔を曇らせた詩音が階段を下りてすぐ正面に立ってこちらを見ていた。

 「 あんまり余計な事をすると、美希さんに言われますよ」
 「 別に」

そのひとことで詩音は分からないという風に困惑した表情を浮かべた。

 「 自分の手で.殺.し.た.かっただけだし……あ.ん.たもそうだろ。
   でも一度小野田舞に.殺.さ.れ.か.け.て.いるあ.ん.たは自分が有利な立場に居る内に
   手段を選ばずここは.殺.し.て.おこう、と思った」
 「 ! 何で、舞.に.殺.さ.れ.かけたって——知ってるの——」

全て図星だったということと、自らを.殺.そ.う.と.し.た人物が誰か知っているという事に呆然とする。

そんなひとり焦る詩音を横目で見て微笑を浮かべた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 「 なぁ、これ一本じゃ流石にこの炎全部は消さないだろ」
 「 全部消火するのは不可能に等しいかもしれませんね、もう……」

 「 香奈が教室に居るから、ここに使うしかないよ……」
しかし、教室の入り口に立ちはだかる炎は、水の入ったペットボトル一本で消せるのだろうか。

 「 でもそうしたら廊下の火が消せなくなりますよ」
 「 ……そこはおいておいて、今から水かけるから、火が小さくなったうちにここを飛び越えて入ろ——」
即座に〝飛び越えて〟という言葉に涼が信じられないという反応をした。


しかし手段なんてもうほとんど無い。

 「 いい ? いいよね」
涼と間崎がこれからリレーでもするかのようなポーズをとった。

キャップをとり、投げ捨てると人が一人分通れそうな位の大きさだけ消火することにした。

自分も直ぐに教室に入れるようなるべく炎に近寄り、ペットボトルの水を勢いよく降りかけた。

ジュワッと音を立てて火が弱まった。

その一瞬の隙を狙って三人が教室に飛び込む。

勢い良く床に叩きつけられ、三人はほぼ同時に入ることが出来た。





 「 あ、熱かった……」
一番最初に飛び込んだ舞でさえも熱かった。
どうやら最後に入ったのは涼のようだった。

 「 マジで…….死.ぬ.か.と思った……」
ペットボトルに残った水を見てみると、半分も無いことに動揺を隠せなかった。

 「 舞…… ?」

顔を上げると、窓側でうずくまっている少女が居た。
おそらく彼女が〝香奈〟だろう。

 「 香奈 ? ! 大丈夫 ? !」
ペットボトルも銃も置いて、携帯を見た。
電話は校舎に入る前からの香奈と繋がったままである。

涼、間崎も香奈の方へ駆け寄った。
火傷していない様子だったことに良かったとつぶやいた。

 「 ごめん、みんな……本当にありがとう……っ !」
震えた声で香奈は全員を見回すようにして言った。


  このゲームでここまで感謝されたって——初めてかもしれない。

香奈を見つけることが出来たということに喜ぶが、問題は残っていた。