ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Run, hide, shoot it, ( No.146 )
- 日時: 2010/03/09 18:43
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
銃を構えた舞はそのまま廊下の反対側から向かってくる.奴.らに向けて撃/った————
と、見せかけてすぐさま自分の行動を見て呆気にとられているジスを追い越して一階へと降りた。
自分でもなんて無.責.任な臆.病.者だろう、と思った。
しかし、あんな大勢を相手にしていたら命がいくつあっても足りないだろう。そもそも、自分達は子供なのだ。
プロでもなんでもない、素.人の中の最下の素.人で子供なのだ。
そんな人間が銃を持っている時点でありえない。
しかもほとんど使わず、ただ持っているというだけの物になっているこの武器は、もはや、何の役にも立っていない。
パキン、パキンッ。
靴の裏で再び粉々に砕けるガラスの音、そして、自分のする荒.い.呼.吸の音以外何も聞こえなくなった。
その時、背後に気配を感じて振り返ると遠くの廊下の方で香奈が追いかけてきていた。
一旦その場で立ち止まり、呼.吸を整えると同時に彼女が自分の所に追いつくまで待った。
「 舞……早.すぎ……。というか、何でひとりで——」
荒.く.息を吐きながら、途切れ途切れの言葉を発する香奈の口.元に舞は人差し指を立てた。
「 静かに……誰かいるかも……」
二人は石のようにその場で固まり、耳を立てた。
しかし、足音も、話し声も、物音もしない。
ゆっくりとその場を離れ、舞は香奈を後ろに職員室と書かれた札の下がる部屋の前を通って行った。
ちょうど奥の部屋を通り越して.角.に.突.き当たった。
ぐ.いっと自分の服が引っ張られる気がして足を止めて後ろを向くと、香奈が心配そうな顔で首を振っていた。
「 絶対誰かいるって——」
「いないよ、だって皆二階に集まってたじゃん——」
「 でも——」
香奈の忠告を無視して舞はそのまま角を曲がった。
そこには、誰もいなかった。
ほら、香奈は余計な心配させるんだよね——
「 ね ? いなかった——」
再び後ろの香奈に言った。だが香奈は無表情で舞の後方を見つめている。
香奈が何か言ったのが聞こえたが、聞き取れなかった。
気が付いた時には、物凄い勢いで自分の周りがぐるぐる回り始め、急に止まったと思えば全身に激痛が走った。
壁に勢いよくぶつかった舞が顔を上げると、さっきまで二階で目の前にいた詩音が、そこにいた。