ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Run, hide, shoot it, ( No.148 )
- 日時: 2010/04/27 17:11
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
灰色と変貌している壁に赤がはっきりと塗りつけられ直視することしか出来ない。
そんな自分。
ただ前方に腕を伸ばして、立ち尽くす自分は——
何をしているのだろう。
とっととゲームなんて放棄してしまえばいい。
警察だって、学校の先生だって、誰かに言えばきっとみんな助かるのに。
そうすればどんなに沢山の悪いことも起こらなかったかもしれないのに。
そうすれば、お母さんも追いかけて来る事は無かったのに。
そうすれば、美希といつも通りの生活が出来たのに。
そうすれば、こんな〝モノ〟持たなくてすんだのに。
そうすれば、沢山の人を巻き込むことも無かったのに。
私はただ、あのサイトをアクセスしただけなのに。
どうして私は今、ここにいるのだろうか ?
どうして今、私の目の前で友人が.血.を流しているのだろう ?
「 ……香奈 ?」
無言。静寂。沈黙。
「 残.念、ざん.ねーん。…また友達が.死.ん.じゃった」
「 でも本当のところ、.死.に.たかったんじゃない ?
だって避けてなかったし ?明らかにねぇ」
「 う.る.さい ! .黙.れ !」
ヒュッとナ.イ.フを取り出し、勢いよく振りかざす。
おっと、と呟いて後ろに退く詩音だが背後には壁。
しかしそんな事関係が無かった。
にやにやと何がおかしいのか笑みを浮かべて避け続ける詩音に対し、舞は周りも見ずにナ.イ.フを振り回す。
「 何、何 ?友達が.死.ん.じゃって.怒.っ.てるの ?」
「 違う ! 」
「 じゃあ何 ?や.つ.あたり ?自分の.無.力さに〝今更〟気が付いたなんて言わないでよ ?」
「 .嫌.いだよお前 ! 大っ.嫌.い ! 」
言葉の投げかけあい。
ただひたすらに.切.りつ.けようとする無.謀.さを感じた舞は、詩音の腹.部向かってナ.イ.フを投げつけ
すぐさま地面に落としてしまっていた銃を手にした。
「 う.あ.゛っ ! !」
手にした瞬間に詩音が腹を蹴.り付け、砂埃を巻き上げながら地面に突っ伏した。