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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: >>> ア ク セ ス >>>> ( No.55 )
- 日時: 2009/10/30 19:37
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 ………。」
その場は凍りついたようになり、次の駅へと着きドアが開いた。
なんで…なんで今… ?
こんなの…ってあり… ?
「 あ…ちっ——違う !!! 僕は…っ、手が滑って——。」
直後、少年は美希の拳を顔面にくらって倒れた。
「 ……っ。」
やっと音が聞こえてきたようだった。
駅には人が集まっている。特にこの車両に。
ちらっと見て通る人や、覗き込む人、誰かを呼ぶ人などさまざまだ。
人が撃たれたのに… ?
みんな…何でそんな目で見るの… ?
ほとんどの人が好奇の目で私達を見回す。
どうして——
そのとき、駅員の大きな声が聞こえた。
「 君達 ! 全員——。」
気づいたときには、駅員はホームに仰向けで倒れていた。
血、火薬の香り、恐怖がそこにいた者全てを支配し、再び無音になる。
誰かが、駅員を撃ち殺した。
反対側の閉じたドアに寄りかかり、舞は祐樹を見た。
その手には、先ほど少年が使った銃が。
「 あ…ゆうき…。」
震え、かすれた小さな声で舞は目を見開いた。
足元を見下ろすと、恵梨から流れ出した大量の血液が自分の所まで川のように流れてきていた。
「 …。恵梨… ?」
彼女からは返事が無い。
そのまま私のほうを向いた状態で———。
「 恵梨———。」
二、三発 銃声が近くで聞こえた。
ドタッ、ドタッと少年の仲間と見られる子達が壁に寄りかかるようにして座わりこんだ。
口をパクパクと金魚のようにあけたりとじたりしている。
「 ゆ……き…、あ…らは…。」舞は口を動かしたが、声にならない。
祐樹は突然、無言で美希、舞の片腕をつかみ、荷物を置いてホームに飛び出した。
電車から出るとき、はっと舞は恵梨を振り返った。
彼女の顔は、どこか悲しそうだった。
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